永田町の「異端児」は、なぜ関係を閉ざすのか。自民党総裁選に出馬表明した河野太郎行政改革担当相は、政界最多の240万超のツイッターのフォロワーを誇る。熱心な発信が人気を集める裏で、「ブロック太郎」の異名も持つ。ツイッターから垣間見える河野氏の“弱点”を考えてみた。【木許はるみ/デジタル報道センター】

公私問わず発信、ツイッターを駆使
 <これまでツィッターはやらないと行ってきましたが、今日、ブロードバンド推進協議会の新年会で孫正義(注:ソフトバンク)会長から、ツィッターを一度試してみるべきと説得され、宗旨替えしてみます>(原文ママ)

 2010年1月13日、この投稿でツイッターデビューした河野氏。フォロワーは約半年で5万5000フォロワーに達し、21年2月に安倍晋三前首相を抜き、政界トップに躍り出た。総裁選出馬の記者会見をした21年9月10日には「河野太郎@自民党総裁選」と専用のアカウントも始め、約7時間でフォロワーが約6万に上った。

 河野氏のツイッター術は巧みだ。自分に関する投稿を検索する「エゴサーチ」を駆使し「エゴサの鬼」と称される。自身を面白おかしく取り上げる投稿を発掘して「ヤメレ」と絡むネタは鉄板だ。私的なツイートの合間に公務の情報を織り交ぜ、発信力を遺憾なく発揮している。

 「エゴサの鬼」は別の顔も持つ。自身に否定的な意見を見つけ出すと、相手から自身の投稿が見られなくなる「ブロック」を多用する。河野氏にリプライ(返信)やリツイート(引用)をしていないユーザーも対象になり、ここでも芸が細かい。10年の開設当初から「ブロックされた」という書き込みが登場し、次第に「ブロック太郎」と揶揄(やゆ)されるようになった。首相候補として名が挙がると「#河野さんにブロックされています」のタグが瞬時に広まった。「まさかと思って見たら自分も」とブロックに気付いた当事者の投稿も相次いだ。

ブロック理由は「誹謗中傷」

 そもそも、なぜ河野氏はブロックをするのか。9月7日の閣議後の記者会見では次のように話した。

 「実際に道など…

毎日新聞
2021/9/14 16:00
https://mainichi.jp/articles/20210914/k00/00m/010/118000c