愛知県の大村秀章知事の解職請求(リコール)を巡る署名不正疑惑で、署名活動団体「愛知100万人リコールの会」の会長を務めた美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らが22日、県庁で記者会見し、団体の関与について「明確に何の関係もない」と改めて否定した。

 会見には高須院長のほか、同会の田中孝博事務局長、代理人の田中智之弁護士が出席した。リコール運動を巡っては、名古屋市の広告関連会社が別の会社を通じて佐賀県でアルバイトを募集し、事務局の指示で偽の署名を書き込ませていた疑惑が浮上しているが、田中事務局長は「佐賀の業者も知らないし契約もしていない。関係者も佐賀に行っていない」と主張。田中弁護士は「調査のしようもない。関係する会社に記者会見をしていただいた方がいい」と述べた。

 高須院長によると、広告関連会社社長から17日に電話があり、疑惑について尋ねたところ「違います」と答えたという。高須院長は「リコール署名は(名古屋市の)河村たかし市長から成功させたいので手伝ってほしいと頼まれた。田中事務局長は河村市長が紹介してくれた人材。事務局長を信じます」と強調した。

 リコール運動では、県選挙管理委員会が、提出された約43万人の署名のうち83%にあたる約36万人分を無効と判断。同じ人が書いたと疑われる署名が90%、選挙人名簿に登録のない署名が48%などとされ、県選管や名古屋市は地方自治法違反容疑で刑事告発し、県警が捜査を進めている。【太田敦子】

毎日新聞
2021/2/22 20:29
https://mainichi.jp/articles/20210222/k00/00m/040/256000c