東京都は13日、新型コロナウイルスに感染し、入院先の調整が付かずに自宅療養中だった都内の80代男性が死亡したと発表した。男性には糖尿病の基礎疾患があった。医療提供体制の逼迫が影響した形で、都の担当者は「適切に入院できていればこの事態を招かなかった」としている。

 都が定めたフローチャートでは、基礎疾患がある70歳以上は原則として入院させることになっている。
 都によると、男性は家族と同居。先月31日に発熱とせきの症状が出たが、今月3日にいったん治まった。7日に医療機関で検査したところ陽性が判明。8日に呼吸が苦しくなるなどの症状が出て、都が入院の調整をしたものの搬送先が見つからなかった。再び症状が治まったため様子を見ることにし、9、10日は入院の調整をしなかった。11日に容体が急変、救急搬送先の病院で亡くなった。
 また都は、6日に陽性が判明して軽症のため自宅療養をしていた50代女性が7日に救急搬送され、同日死亡したと明らかにした。女性は高血圧などの基礎疾患があったという。都内で自宅療養中に亡くなったのはこれで3人となった。(小倉貞俊)

東京新聞
2021年1月13日 21時28分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/79743