菅義偉首相は16日夜の記者会見で、2021年以降は首相主催の「桜を見る会」を中止する意向を表明した。安倍晋三前首相の後援会関係者が多数招待されたことが問題となっていた。首相は「安倍政権発足以来、政権が長くなる中で、招待客が多くなったことも事実だ」との認識を示した上で、「最近この会のあり方についてもいろいろ批判がある。首相に就任したのを機に来年以降、この桜を見る会、こうしたことは中止をしたい」と述べた。

 中止判断について首相は、9月末の概算要求を念頭に「これから予算要求をすることになっているが、新型コロナ対策に集中していきたい。そういう強い思いの中で予算要求しないことを決めた」と理由を説明した。安倍氏と話したかを聞かれると「従前から予算要求には否定的だった」とも述べた。

 桜を見る会を巡っては、「公的行事の私物化」との批判が高まり、安倍氏が19年11月に翌20年の開催を中止すると表明。また19年の招待者名簿は同年5月に野党議員が関連資料の提供を要請した直後に内閣府のシュレッダーで廃棄され、要請時点で残っていた電子データも復元されなかったなど、公文書管理のあり方も問われている。

 首相は自民党総裁選期間中は「さまざまな指摘があり、今年は中止して、これからのあり方を全面的に見直している」などと述べるにとどめていた。【笈田直樹】

毎日新聞
2020年9月16日 21時35分
https://mainichi.jp/articles/20200916/k00/00m/010/340000c