公職選挙法違反の罪に問われ無罪を主張している河井克行前法務大臣が、15日開かれた裁判の後、弁護士全員を解任したことが関係者への取材で分かりました。
河井前大臣の裁判は迅速な審理が求められる「百日裁判」で行われていますが、当面、開けなくなる可能性が出てきました。

前の法務大臣の河井克行被告(57)は、妻の案里被告(46)が初当選した去年の参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の買収の罪に問われ、裁判で無罪を主張しています。

15日午前中、東京地方裁判所で8回目となる審理が開かれましたが、裁判の後、河井前大臣が弁護士の6人全員を解任したことが関係者への取材で分かりました。

前大臣側はこれまでに4回、保釈を請求しましたが、いずれも認められておらず、このままでは裁判に向けた準備が十分にできず、集中審理に対応できないと判断したものとみられます。

河井前大臣は選挙運動を取りしきる「総括主宰者」として起訴され、裁判は迅速な審理が求められる「百日裁判」で行われていて、これまでおおむね週4日のペースで集中審理が開かれています。

16日以降は現金を受け取ったとされる県議会議員らが証人として呼ばれる予定になっていますが、新たな弁護士が選任されて準備が整うまで、当面、裁判が開けなくなる可能性が出てきました。

ともに審理されている案里議員の裁判については、予定どおり進めるかどうか今後、裁判所が検討するとみられます。

NHKニュース
2020年9月15日 14時21分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200915/k10012618821000.html