「菅氏出馬」の情報が駆け巡ると、石破茂元幹事長(63)も苦悩を深めた。

 18年総裁選で安倍首相に国会議員票で圧倒された石破氏。安倍政権批判を続けたことで石破派(19人)の勢力拡大が見通せない中、無派閥に影響力を持つ菅氏と二階派(47人)を率いる二階幹事長との「共闘」を模索した。ところが菅氏の出馬であてが外れ、石破派に動揺が走った。

 石破派は8月30日夜に東京都内のホテル、翌31日昼に国会内と2日続けて会合を開き、対応を協議した。31日の会合では、会長代行の山本有二元農相が「しっかりとした土俵のときにやるべきではないか」と撤退論を主張した。石破氏の強みは地方行脚で培った「地方人気」。石破派が求めた党員投票を党執行部が突っぱね、簡略方式での総裁選に踏み切る以上、相手を利するルールで戦う必要はない――との論理だった。

 だが、…

毎日新聞
2020年9月12日 17時57分
https://mainichi.jp/articles/20200912/k00/00m/010/223000c