インド洋のモーリシャス沖で、商船三井が運航する貨物船『WAKASHIO』が座礁し、約1000トンの重油が流出しました。船に残っていた重油はほぼ全部回収できたということですが、自然環境への影響は甚大なものとなっています。

モーリシャスの美しい砂浜とサンゴ礁に縁どられた海、絶滅危惧種のウミガメも生息するリゾートは、年間100万人を超える観光客を集めてきました。新型コロナウイルスの影響で入国制限をしていたさなかの重油流出で、観光立国にとってダメージは計り知れません。
 地元住民:「早く対処しないと、ダイビングやシュノーケリング、イルカウォッチングなどのビジネスが影響を受ける」
現地では、重油の拡大を食い止めるため、ネットに藁を詰めて即席のオイルフェンスを作っています。また、美容院で髪をカットしてもらうのも支援活動の一環となっています。通常なら捨てられるはずの髪の毛も、藁と同じく、ネットに詰めるとオイルフェンスになるといいます。
 コーディネーター:「人間と動物の毛は、油の吸収力が非常に高いのです」

商船三井によりますと、船は先月4日、中国の港を出港し、ブラジル方面へ向かう予定でした。ところが、インド洋を航行中の26日、モーリシャス沖の陸から2キロ弱のところで座礁しました。計画では、陸から20キロ以上離れて航行する予定だったといいます。現地メディアによりますと、乗組員は当局の調べに対し、座礁する直前「同僚の乗組員の誕生日を祝い、さらにWiFiに接続するため島に近付いた」と証言しているといいます。この報道について、商船三井は「調査中でわからない」としています。

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テレ朝news
2020/08/13 23:30
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