安倍晋三首相は1日、いつもの小さめの布マスクではなく、鼻から顎まで覆うタイプの白いマスクに替えて首相官邸を訪れた。政府支給の布マスクは通称「アベノマスク」と呼ばれ、首相自身も4月ごろから着用し続けてきた。

首相は4月1日に「急激に拡大するマスク需要に対応するうえで極めて有効だ」と全世帯に布マスクを2枚ずつ配布する方針を突如、表明。関連費用は466億円と「コストがかかり過ぎる」などと与野党から批判が出ていた。

7月末には介護施設などに8千万枚の追加配布を検討したが、再び批判を浴びて見送った。

首相周辺は8月1日、首相が布マスクを外した理由について「民間のマスクが市場に行き渡り布マスクのニーズも小さくなってきた。首相はあす以降も別のマスクを着けるだろう」と話した。

日本経済新聞
2020/8/1 19:40
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62198080R00C20A8EA3000/