新聞記者らと賭けマージャンをしたとして賭博容疑で告発された黒川弘務・前東京高検検事長(63)を不起訴(起訴猶予)とした東京地検の処分を不服として、5月に黒川氏らを告発した市民らが13日、東京の検察審査会に審査を申し立てた。

 申立書によると、賭けのレートが低いことを理由に起訴猶予とした地検の判断について「身内に甘い。法の下の正義はないことになる」と批判。さらに黒川氏は約3年前から定期的に賭けマージャンをしていたとし、常習賭博は成立しないとした地検の判断は「納得できない」とした。記者らが黒川氏のハイヤー代を肩代わりした行為についても、代金が高額で収賄罪が成立すると訴えた。

 10日付の地検の不起訴処分によると、黒川氏は記者3人と、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言中の4〜5月に計4回、賭けマージャンをしたとした。ただ、額や頻度を考慮すれば常習賭博ではなく単純賭博罪が成立するにとどまり、収賄についても容疑なしとした。

 市民らは記者ら3人についても審査を申し立てた。岐阜県弁護士会所属の弁護士らも13日、同様の申し立てを行った。【二村祐士朗】

毎日新聞
2020年7月13日 21時17分
https://mainichi.jp/articles/20200713/k00/00m/040/215000c