★7日のテレビで政府の持続化給付金を経産省が電通やパソナが設立した一般社団法人「サービスデザイン推進協議会(サ推協)」に業務委託している問題について自民党税調会長・甘利明は「結論から言うと、今、迅速に行うシステムとしては最善だったと思います。もちろん入札でやりました。それから20億が中抜きだなんていわれますが、調べてみれば振込手数料が15億ぐらいで消費税分が2億とか全部説明できますから、中で誰かが抜いているなんてことはまったくないです。そういうことで週刊誌があおるのはどうしたもんかなと思います」と胸を張った。迅速などと国民は思ってはいない。

★本当にそうだろうか、その実態は第2次補正予算審議で野党が調べ上げているが、ここで問題にしたいのは本当に電通にしかできない作業なのかどうかだ。8日、サ推協と電通は会見を開きサ推協が社団法人として義務付けられている決算公告を設立4年間で1度も出していないことも認めた。なぜこんなことになるのか。

★霞が関幹部官僚が言う。「官邸が電通をかませれば中抜きし放題ということに味をしめたのではないか。公共事業のゼネコンよりも悪質な利権といえる。本来この作業は県庁でも市役所でもできるのではないか」。会計検査院と総務省の行政監察担当は、いったい何をしているのだろうか。しっかりとした主計局と会計検査院であればそんな予算決算は通らないはずだ。官邸官僚政治におびえた主計局・会計検査院と、政治の走狗(そうく)となった経産省というのが実態ではないか。このいかがわしい仕組みを通さなければ、もう少し早く支給金が振り込まれ、助かる企業がもっとたくさん生き残れたと思うと、経産省は産業を助ける役所ではなかったのかとがっかりする。(K)※敬称略

日刊スポーツ
2020年6月11日8時45分
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202006110000105.html