https://news.yahoo.co.jp/byline/yanaihitofumi/20191130-00153103/
チェック対象

総理の枠で反社会的勢力と見られる方、それからいわゆるマルチ商法で行政処分や家宅捜索などを受けられている方が桜を見る会に招かれていたことが明確になりました。

出典:枝野幸男・立憲民主党代表、2019年11月29日定例記者会見
結論【不正確】

ジャパンライフがマルチ商法で行政処分や家宅捜索を受けたことは事実だが、行政処分を受けたのは2016年以降。「桜を見る会」の招待状が送られたとされる2015年春の当時、まだ行政処分は受けていなかった。ただ、2014年に行政指導が行われた事実はある。
<検証>

 政府主催「桜を見る会」に不適切な人物が招待されていたとの疑惑に関連して、立憲民主党の枝野幸男代表は11月29日の記者会見で「マルチ商法で行政処分や家宅捜索などを受けられている方が、桜を見る会に招かれていたことが明確になった」と発言した。
11月29日の立憲民主党定例記者会見(YouTubeより)

 野党は国会で、ジャパンライフ元会長が2015年春の「桜を見る会」に招待されたことを宣伝していた問題を追及しており、枝野氏のいう「マルチ商法で行政処分や家宅捜索などを受けられている方」はジャパンライフの山口隆祥元会長のことと考えられる。

 ただ、消費者庁のジャパンライフに対する行政処分が行われたのは2016年以降で(4回)、家宅捜索が行われたのは今年だった。消費者庁は2014年に行政指導を行っているが、当時、公表していなかった。

 行政指導は、業務停止命令などの「行政処分」とは異なり、強制的な措置ではない。招待状が送られたのが行政処分の前であったか後であったかでも、意味は異なる。枝野氏の発言は、時系列を正確に説明していないため、ジャパンライフが「行政処分」を受けた後に「桜を見る会」に招待されていたとの誤解を与える可能性がある(枝野氏の真意は「後に行政処分を受けるような人物が招待されていた」ことであったとも考えられるが、定かでない)。

 共産党の田村智子議員も11月25日の参議院行政監視委員会で、ジャパンライフについて「2014年に行政処分を受けていた」と事実誤認の発言をしていた(動画)。

 「行政処分を受けている人が桜を見る会に招かれていたことが明確になった」という枝野氏の発言はフジテレビが報道した。東京新聞も、この問題を報じた際、「共産党が入手した資料によると、元会長は招待されたが、当日は欠席したという。同社は一四年以降、消費者庁から相次いで行政指導や行政処分を受け、一七年にマルチ商法の認定を受けていた」と指摘したが、行政処分が2016年以降に行われたことは明示していなかった。ツイッター上では、2014年にジャパンライフが行政処分を受けていたとの誤情報(正しくは、2014年に行われたのは行政指導)も出回っている。

 これまで判明した事実関係を時系列で整理すると、次のようになる。

(略)