「桜を見る会」問題の火付け役というと「ああ」と思い出す方も多いかもしれない。
11月8日の参議院予算委員会で「首相が後援会関係者を多数招待しているのでは?」と追及。
報道各社が一気に後追いをはじめた。
にわかに浮上した「桜を見る会」の私物化疑惑。
4月に東京新聞が報じ、5月に共産党の宮本徹議員が支出額の増加や招待基準について国会で質問。
さらに10月13日の赤旗(日曜版)がスクープ――だがその時点では、まだ追随するメディアはなかった。
ではなぜ、田村議員が“火付け役”になったのか?
田村議員のもとを訪ね、疑惑追及のきっかけと今後、そして国会で話題になる質問のポイントを探った。
■ 地元後援会はツアー旅行のつもりだから悪気がない
――メディア取材が殺到しているそうですね。
田村 先週(11/18〜)はすごかったですね。
「桜を見る会」野党追及チームが動き出したこともあって、毎日のように取材が入っていましたから。
――そもそも11月8日の参院予算委員会で「桜を見る会」を取り上げるきっかけは?
田村 4月の東京新聞の記事があって。
そのあと5月の宮本徹さんの衆議院での質問。
そのときは「芸能人をどんどん呼んでいるんじゃないか」ぐらいでした。
ただ、それがきっかけでうちの『しんぶん赤旗』が独自に取材を進めて、安倍総理の地元後援会の方に聞いて回るとみなさんツアー旅行のつもりでお金も払って参加しているから悪気がない。
色々お話が聞けて、どんどん証拠が出てきて、赤旗で記事になった。
――それが10月13日。
田村 はい。
その記事を見て、これはぜひ私も国会で質問したいと考えて……内閣府の予算ですから、内閣委員会、菅官房長官宛てに質問する機会をどこで得られるかと狙っていて。
臨時国会の内閣委員会での質問が10月31日に当初予定されていたんです。
そこで質問するつもりで原稿も完成させて、質問通告も済ませたら、当日の朝に河井(克行)法務大臣が辞任して、すべての委員会が吹っ飛んだ。
――そうでしたか。
田村 野党は「政治とカネ」の問題で2人の大臣が次々に辞めたので、予算委員会を要求して。
それで参議院では11月8日に予算委員会が予定されたので、「安倍総理に直接質問できるじゃないか」ということで結果的にタイミングがばっちり合ったんです。
■ 赤旗の記者とは普段から情報交換している?
――10月13日の赤旗を見ましたが、「安倍首相の後援会への便宜」「昭恵夫人の推薦枠」など問題点がその時点で網羅されている印象です。
田村 その通りです。
――赤旗の記者の方は共産党の職員ですよね。普段から交流があるのですか?
田村 党員であることが記者になる要件です。
日常的に記者の方と交流があるわけではないのですが、国会で取り上げたいと思っているテーマで、赤旗が追っていると分かっていれば、記者さんに連絡を取って意見を聞きます。
今回は私が記事を見て、記者さんに「資料を見せてもらえないか」「取材して文字にしていないことを教えて欲しい」とお話を聞きました。
■ 無邪気なブログ「選挙のうぐいす嬢を呼びました」
――最初に問題を調べているときはどう思いました?
田村 萩生田(光一)さん、稲田(朋美)さんをはじめ、出席者のブログも記者さんがよく押さえていたので、それらを見ていけば見ていくほど分かりやすい“私物化”だなと思いました。
森友学園・加計学園問題のときは関係者が限られていた。
あるべき資料も捨てられたり、場合によっては改ざんされた。
でも今回は隠しようがない。
みんなが喜んでブログやTwitterに「桜を見る会に参加しました!」ってあげてくれていますから。
一番面白かったのは松本純さん(自民党国対委員長代理)の「選挙のうぐいす嬢を呼びました」というブログ。
選挙でお世話になる人を呼んで、何の迷いもなく投稿しているのを見て無邪気だなと。
――その後、話題が大きくなりました。
田村 「桜を見る会」は毎年テレビでも放映されて、旬の芸能人が安倍総理と一緒に映像に映る。
みなさんどこかで見た覚えがあるのであらためて説明する必要がないんです。
それに消費税を10%にしたあとでしたから「税金ってこういうところに使われているの?」という庶民感覚での疑問が湧いたのが大きな要因だと思います。
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https://news.livedoor.com/article/detail/17447051/