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 沖縄県・首里城火災をめぐって「韓国人か中国人が放火」「パヨクか外国スパイに放火されたのか」「プロ市民の仕業」などのデマが拡散されたことは、先日、本サイトでも報じたが、もう一つ、ネトウヨ連中がこの火災にかこつけて展開しているのが、米軍辺野古基地建設に抵抗する玉城デニー知事や沖縄県へのデマ攻撃だ。

 たとえば、火災から数時間たった10月31日朝には、SNS上で「首里城より韓国‼�v「貴重な観光資源の消失を目にしてもお出かけですかい」などと、首里城炎上の最中に玉城知事が韓国に出かけたかのような声が上がり、それをまとめサイトが拡散した。しかし、玉城知事が観光PRのために韓国を訪問したのは火災の前日の10月30日で、玉城知事は火災の一報を聞きつけ、予定を切り上げて正午には沖縄に戻ってきていた。これのどこが「首里城炎上をほったらかして韓国訪問」ということになるのか。安倍政権の基地政策に抵抗する知事を攻撃する悪質なデマというしかない。

 また、首里城正殿にスプリンクラーなどの消火設備が設置されていなかったことが報道されると、今度は「沖縄県の管理体制のせい」「沖縄県は防災意識や保安意識、危機管理能力が著しく低い」などの攻撃が展開されたが、これもいちゃもんとしか思えないものだ。

 そもそも首里城には、消防法でスプリンクラー設置義務がない。また、文科省が文化財にスプリンクラー設置を推奨する文書を配布していたことを持ち出しあげつらう声もあったが、推奨の文書が配布されたのは今年9月。すぐに導入を決定したとしても、今回の火災に間に合ったとは思えない。しかも、首里城正殿は2019年2月まで沖縄県でなく国が管理しており(その後、沖縄県に管理が移行され、沖縄美ら島財団が管理を委託された)、その国が2013年12月までに「放水銃」と呼ばれる消火設備1基を撤去していたことが琉球新報の報道で明らかになっている。この経緯を見れば、少なくとも沖縄県だけに管理責任があるわけではないことは明白だろう。

 しかも、こうしたデマを流しているのは、ネトウヨだけではない。安倍政権御用の産経新聞も、首里城焼失に乗じて沖縄県・玉城知事攻撃のためのフェイクニュースを仕掛けていた。

 11月1日、産経新聞のサイト「産経ニュース」が、「首里城火災で陸自ヘリ投入できず 沖縄県が独自機投入を模索中」というタイトルの記事を掲載。公式ツイッターがこの記事を紹介する形で、こんな投稿を行ったのだ。

〈陸自ヘリが消火活動に参加するためには沖縄県が災害派遣要請を行う必要がありますが、県防災危機管理課は要請を検討しなかったといいます。〉

 これを読むと、沖縄県は本来、自衛隊に消火活動を要請すべきだったのに、要請を検討しなかったとしか解釈できない。言外には、玉城知事が反日左翼だから自衛隊嫌いだから出動要請を検討しなかった、というニュアンスさえ感じられた。

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LITERA
2019.11.03 01:04
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