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韓国大法院(最高裁)は昨年10月30日、日本企業に対して元徴用工に賠償を命じる判決を出した。判決をきっかけに日韓関係は悪化の一途をたどる。徴用工の手記を基に「徴用工問題」から両国の関係を考えるドキュメンタリー「映像’19 ある徴用工の手記より〜日韓の間に何が起きているのか」が28日深夜(29日午前)0時50分、MBS(大阪市)で放送される。

 判決は日本の企業、新日鉄住金(現日本製鉄)に元徴用工の原告1人当たり慰謝料1億ウォン(約900万円)を支払うよう命じるもので、その後も他の日本企業について同様の判決が続く。戦後74年、韓国側が未解決とする徴用工問題。一方、日本政府は、1965年の日韓請求権協定で「賠償問題は完全かつ最終的に解決されている」と主張している。

 太平洋戦争の末期の44年9月、日本は当時、植民地としていた朝鮮半島でも国民徴用令による戦時徴用を開始。鄭忠海(チョン・チュンヘ)さんも同胞とともに内地(日本)へ動員された。日本の敗戦後に帰国した鄭さんの当時の心情を記した日記が、日本人翻訳家の目にとまり、90年に「朝鮮人徴用工の手記」というタイトルで日本で出版。鄭さんはあとがきに「祖国が日帝植民地治下から解放されていつしか45年、今は過去の怨恨(えんこん)がきれいに清算されて、日韓両国が善隣友邦として相互に協力提携していければと願っている」とつづる。

 番組では、朝鮮人強制動員の歴史を日本の公文書で振り返るとともに、日韓請求権協定締結の経緯や内容、また新日鉄住金訴訟の原告らにも話を聞いて、「徴用工問題」に迫る。

 津村健夫ディレクターは、歴史的な経緯をたどるためにも「当時の様子が事細かく書かれた鄭さんの手記を基に番組を作った」という。

また「事実を知った上で問題に取り組まなければならない。そうした事実はドキュメンタリーで時間をかければ、細かく伝えることができると思う。事実を順に追って理解することで、問題を考える契機にしてほしい」と話している。【用貝成子】

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190727-00000007-mai-soci

MBS ホームページより

ある徴用工の手記より 〜日韓の間に何が起きているのか〜
1991年に日本で出版された「朝鮮人徴用工の手記」という本がある。1944年に11月に朝鮮で徴用された鄭忠海(チョン・チュンヘ)さんが、戦後書いた手記だ。鄭さんは広島の工場で小銃を作る仕事をさせられた。
労務環境はそれほど悪くはなかったが、日本が米軍の空襲で受けた惨状などを見る目は、怨恨に貫かれている。
「罪のない市民たちが犠牲になったのだから哀しいことだけれど、彼ら自らが招いた災いであり、誰も恨むことはできないだろう」。

番組では、この本の内容を映像化して、当時の徴用工の暮らし・思いはどんなものだったかを伝える。また、鄭さんという一人の徴用工の後ろには、何十万という数の徴用工たちがいて、中には強制的な連行や危険な労働環境をとおして、命を落としたり、心身に傷を負ったりした人もいる。去年10月の韓国大法院の判決をきっかけに日韓両国の関係が悪化する中、日本での取材以外にも韓国でこの問題に関りのある人々にも直接話を聞く。一次資料に当たるなど、事実に基づいて番組を制作・放送することで、関係改善の一助としたい。


https://www.mbs.jp/eizou/



(略)