「北方領土を戦争で取り返す」という趣旨の発言をし、ロシアに宣戦布告した丸山議員。この発言に対し、ネットでは「よくぞ言った」と拍手喝采している書き込みも目立つが、丸山議員もネトウヨも日本がロシアと戦争すれば勝つと本気で信じているのか。

 世界各国の軍事力を分析している米国の「グローバル・ファイヤーパワー(GFP)」の2019年版によると、世界137カ国の中で、ロシアの軍事力は米国に次ぐ第2位だ。軍人約360万人に加え、軍用機は約4000機、戦車は約2万台、艦船は約350隻……と他国を圧倒。日本も6位に位置しているとはいえ、軍事力の差は歴然としている。そして何よりもロシアは約1600発の核弾頭を実戦配備しているのだ。仮に日本がロシアに戦争を仕掛けたらどうなるのか。軍事ジャーナリストの世良光弘氏がこう言う。

「丸山議員は圧倒的パワーを持つロシアの軍事力をまったく考えていない。今でも『203高地』や『日本海海戦』の日露戦争時代が続いていると思っているのでしょう。仮に日本が宣戦布告して北方領土に自衛隊が入った途端、首都・東京をはじめ、日本各地に核ミサイルの雨が降る。第2次大戦時の米国と同じで、ロシアがダラダラと地上戦を続けるはずがない。最悪の場合、1・2億人の日本国民が全滅する。丸山議員の発言は日本の全国民を危険にさらしたのです」

 これでもまだ、「よくぞ言った」と拍手喝采するのか?

日刊ゲンダイ
19/05/22 06:00
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