銚子市は二〇一九年度当初予算案で、自治体の財政破綻に相当する財政再生団体への転落を避けるために必要な取り組みとして、昨年十一月にまとめた緊急財政対策に沿って六十事業を休廃止や縮小し、五億二千百万円を削減した。

 重度心身障害者福祉年金の休止や心身障害者医療費給付の縮小、ごみ収集の集積場所や回数の見直し、夜間小児急病診療所の休止、豊岡農村婦人の家の廃止、職員人件費の抑制など。市民生活に影響が出ると予想される。

 青少年文化会館も計画通り四月から休止するが、市民説明会での強い反発を踏まえ、二〇年度以降に一部で利用を再開できるかどうか検討することにした。

 市は当初、七十事業の見直しで新年度に七億七千万円の効果を見込んでいた。だが、千葉科学大学関連の市債借り換えによる一億九千万円の縮減などが計画通り進んでいない。ただ、歳入が見込みより一億八千七百万円増えた。

 越川信一市長は「水道事業からの借り入れの返済繰り延べなどで対処した実質赤字の予算。年度途中に補正が必要になった場合の財源確保も楽観できない」と厳しい見方を示した。

 一般会計は前年度当初比3・3%増の二百三十八億九千二百万円。旭、匝瑳との三市共同のごみ処理広域化事業関連経費が十三億六千二百万円増えたためで、実質的に緊縮予算となっている。(小沢伸介)

東京新聞
2019年2月9日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201902/CK2019020902000136.html