千葉市は7日、LGBTなど性的少数者や事実婚のカップルを夫婦と同じような関係の「パートナー」と公的に認める制度を29日から始める、と発表した。制度の目的や手続きを示した要綱も公表。今後、市役所や市立学校で取り組む支援策を検討する。性的少数者に限らず、事実婚のカップルまで性別を問わず広く対象とするのは全国初という。

 対象は、ともに成人で、市内在住か転入を予定するなどの要件を満たしたカップル。宣誓した2人に「パートナーシップ宣誓証明書」を交付するほか、希望者にはカード型の証明書を渡す。法的拘束力はないが、市職員は要綱に沿った対応が求められる。市営住宅への入居などが想定されるという。

 市は昨年8月に要綱の考え方を公表し、市民から意見を募集。146人から計363件が寄せられ、肯定的な意見35件に対し、「家族制度に影響を及ぼすのではないか」などの否定的な意見は279件に上った。「悪用の恐れがある」との意見を受け、要件に該当しないことが判明した場合、宣誓を無効とする規定を要綱に盛り込んだ。

 熊谷俊人市長は7日の記者会見で、「公的分野だけでなく、民間や地域で少しずつ対応して社会ができ上がることで、強い反対意見を持つ方々も時代とともに減っていくと思う」と説明。「悩んでいる多くの方々が、その人らしく生きられる支援ができればと考えている。我々が目指す人権のあり方について理解頂けるよう、周知啓発していきたい」と述べた。

 29日は交付式を行い、熊谷市長が証明書を直接手渡す予定。宣誓を希望するカップルは23日までの申し込みが必要。問い合わせは市男女共同参画課(043・245・5060)へ。(前田基行)

朝日新聞
2019年1月7日20時47分
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