基本方針などによると、受け入れは深刻な人手不足に対応するため、「生産性向上や国内人材確保のための取り組みをしてもなお人材確保が困難な業種」で行う。地方に配慮し、新資格を得た外国人が大都市圏に過度に集中しないようにするため、「必要な措置」を講じるよう努める。受け入れ先による支援は、入国前の生活ガイダンス提供や住宅確保、日本語習得支援などを挙げた。
受け入れ対象14業種のうち、産業機械製造や建設などは「溶接」「左官」といった形で業務を細分化し、転職は同じ業務区分である場合などに限られる。退職3カ月を過ぎると資格が取り消される可能性がある。
受け入れ見込み数は、経済情勢に大きな変化がない限り、上限になる。業種ごとに大都市圏偏在を回避するための措置も記載。「制度の仕組みの周知を特に人材不足の地域に重点化」(ビルクリーニング業)などとしている。フルタイムの直接雇用を原則とするが、季節で仕事量が変動する農業と漁業は派遣を認める。
新資格取得のために新設する技能試験は業種・業務ごとに実施。施行時に技能実習生からの移行者がいない介護、宿泊、外食の3業種は来年4月から実施予定で、残りの多くは「来年度内」に開始予定とした。日本語能力はアジア9カ国で来年4月から行う予定の「日本語能力判定テスト」(仮称)への合格か、「日本語能力試験」で基本的な日本語を理解できる「N4」以上を求める。介護は専門の日本語評価試験も行う。
閣議に先立つ関係閣僚会議では、共生社会の実現に向けた計126施策からなる「総合的対応策」も決定された。【和田武士】
政府方針の骨子
・受け入れた外国人労働者が大都市圏に集中しないよう措置を講じる
・転職は同じ業務区分内か、試験で技能水準の共通性が確認されていれば可能
・受け入れ企業などが主体となって外国人労働者への支援を実施
・雇用形態はフルタイムで原則直接雇用。農業や漁業は派遣も認める
・強制退去になった外国人を引き取らない国からは受け入れない
・施行後2年で必要があれば基本方針見直し
毎日新聞
2018年12月25日 10時30分
https://mainichi.jp/articles/20181225/k00/00m/040/055000c