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拝啓 伊藤詩織様 ー差出人は25年前の最も有名なレイプ事件の被害者
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0001クロ ★垢版2018/12/07(金) 11:15:17.62ID:CAP_USER9
性犯罪の被害者が沈黙せざるを得ない日本の社会を変えなければならない──実名も顔も出して自らもレイプに遭ったことを明かしたうえで訴え続ける伊藤詩織に、おそらく誰よりも強く共感している女性がいる。東京都下の小さな町でつましく暮らす44歳の名もなき主婦だ。

彼女は長い間封印してきた自らの忌まわしい体験を伝えようと、伊藤に長い、長い手紙をしたためた。伊藤に、そして一人でも多くの人に伝えたい、どうしても伝えなければいけないと思うことがあるからだ。


拝啓 伊藤詩織様

テレビやウェブマガジンなどであなたの身に起きた出来事を知り、ご著書『ブラックボックス』やクーリエ・ジャポンの特集「性暴力はなぜ起こる」も拝読しました。堂々とお顔もお名前も出して闘っているあなたに、匿名でお手紙を出す失礼をどうかお許しください。

Me too.

私も性犯罪の被害者です。今から25年も前のことになりますが、ローマで日本人の女子大生6人がイラン人の男にレイプされるという事件があったのをご存じですか。私はその女子大生の一人です。事件当時、19歳になったばかりでした。

1993年の冬、都内の短大の1年生だった私は、学校が主催するヨーロッパ研修旅行に参加しました。ロンドン、マドリッド、ローマ、パリの名所旧跡を巡る11泊13日の旅だったと記憶しています。私には観光の仕事に就きたいという夢があり、同じ夢を持つ友人と一緒に参加したのです。

ローマでの自由行動の日、ほかのみなさんはオプショナルツアーのなかから好きなコースを選んで参加していましたが、私は自由行動を選びました。というのも、私はけっこうな田舎にある実家を離れての一人暮らしで、短大の学費とアパート代は父に出してもらっていましたが、その他はアルバイトをして賄っていました。

研修旅行の費用も自分で食費を切り詰めて何とか貯めたものの、オプショナルツアーの分までは工面できなかったのです。

一緒に参加した友人も私に付き合ってくれました。ほかにも4人、自由行動にした人がいて、ほとんど初対面同士の女子の「にわかグループ」が結成され、6人で市内を散策することになりました。

スペイン広場で男が声をかけてきました。いろいろな男に声をかけられても無視していたのですが、この男は「日本に住んでいたことがあり、懐かしくて声をかけた」と流暢な日本語で話すものですから、つい足を止めてしまいました。

男は「自分は空手の師範だ」と言い、武芸のウンチクを滔々と語り、日本で撮った写真をたくさん見せました。私たちがよく知る俳優さんとのツーショット写真も何枚かありました。ですから私たちには、男はものすごい親日家にしか見えませんでした。

男に写真を撮ってもらって別れると、昼食がとれるお店を探しました。でも、その日は土曜日だったためにどこもすごい混雑で、なかなか適当なお店が見つかりません。うろうろしていたところ、先ほどの男が追いかけてきてこう言いました。

「近所のお祭りを見にきませんか。日本で日本人にとても親切にしてもらったから、イタリアでは私が日本人に親切にする。だからあなたたちを自宅のランチに招きたい。もう車も手配しましたから」

確かにこの朝、お祭りをしている地域があるということはホテルで聞いていました。また、男は髪が薄く、かなり年配に見えましたから、てっきり自宅には一緒に住む家族がいるものと思いました。それで私たちは迎えの車に乗ってしまったのです。

このことが後に、テレビや週刊誌、女性誌などで散々に非難されることになります。「ナンパされて男の車に乗った尻軽な女子大生」だと。

男の家は4階か5階にあったと思います。お祭りの衣装の子どもたちが出迎えてくれました。この子どもたちが男の家族ではないとわかったのは、翌日になってからのことです。

昼食が振る舞われた後、男は日本刀を取り出し、日本で覚えたという型を披露し始めたのですが、ふと気がつくと、もう子どもたちはいません。ドアは閉められ、先ほど車を運転してきた大きな男がドアの前に陣取っていました。

2につづく

クーリエジャポン
2018.12.6
https://courrier.jp/news/archives/142306/
0002クロ ★垢版2018/12/07(金) 11:15:52.88ID:CAP_USER9
「そろそろおいとましよう」と話していると、男の様子が変わり始めました。「自分には神がついている」というようなことをつぶやき、やおら私たちの一人を力づくで窓際に引っ張っていくと、突き落とす真似をしたのです。そして私たちにジーンズやパンツを脱げと命じました。

私たちは「お前はここに、お前はあっちに」と横たわるように言われ、次々に5人がレイプされたのです。オーラルセックスの強要もありました。誰かの嗚咽が聞こえましたが、私は身体が硬直してしまって声も出せず、ただただ怯えていました。私たちは殺されてしまうのではないかと。

このときのことも後に非難されます。6人もいて、なぜ抵抗しなかったのか。どうして1人ぐらい逃げ出して助けを呼ばなかったのか。つまり、被害者に落ち度があるというのです。それどころか、女性の側が協力しなければ5人とセックスするのはムリだ、これはレイプではなかったのではないかとさえ言われました。

そして最も批判を浴びたのは、この後に私たちがとった行動です。男は再び私たちを来たときと同じ車で宿泊先のホテルまで送り届けたのです。きっかけは、誰かが「門限までに帰らないと大変なことになるから、帰してください」と言ったことでした。男は突然、「許してくれ」と泣き出し、私たちを車に乗せると、車のなかでも「許してくれ」と繰り返しました。

私たちが男の車で帰ったことについては、男がレイプした相手を送り届けるはずがないし、女が自分をレイプした男に送らせるはずもない。ということは、レイプではなかった。女子大生たちのアバンチュールだったのだと批判されてしまいました。

伊藤詩織さん、あなたは気を失っている間にホテルの部屋でレイプされたことに気づいた朝、恥ずかしさと混乱で頭がいっぱいになり、逃げるようにホテルを飛び出していますね。とにかく安全な場所に行こうという思いだけで。

『ブラックボックス』に記されたこのくだりを読んで、あなたがこのとき、どんなに混乱していたかが手に取るようにわかり、胸が苦しくなくなりました。

レイプに遭った後というのは、ショックのあまり、判断力が働かなくなってしまう。どうすればいいのか、何が何だかわからなくなってしまうのですよね。私たちもあなたと同じだったのです。右も左もわからない外国の街で、一刻も早く知っている人がいる場所にたどり着きたかった。それしか考えられなくなっていました。

しかし、平常心でいることができる安全な高いところでしか考えたことのない人は、思いもよらないできごとに遭って混乱している人でも平常心で判断を下すことができるものと思っているのですね。

だから、普通では考えられないような行動をとった私たちは批判されたのだと思います。そして、「安全な高いところでしか考えない人」が「混乱して正常な判断ができない人」の行動を批判するという構図は、現在でもまったく変わらないようです。

少し前に、ネット上の伊藤詩織さんの記事を探していたときに、ある人のブログにこんな短い文章が上がっているのを見つけました。

3につづく
0003クロ ★垢版2018/12/07(金) 11:17:30.89ID:CAP_USER9
■「志桜里」と「詩織」
どっちも,「響き」がよろしくない。
どちらにも,ウソをつくでない!!,と言いたい。

書いているのは弁護士です。「詩織」というのは伊藤詩織さんを指していることは容易に想像がつきました。ネット上では他人を誹謗中傷する書き込みが横行していることは承知していますが、弁護士がこんな論理的でないことを書くなんて、どうかしています。

なんだ、これはと不快に思っていると、しばらくして“「BB(『ブラックボックス』のことです)が「妄想」である理由”と題した長文がアップされました。たとえば、こういう記述があります。

■ まず,通常の強姦致傷の被害者は,真に強姦被害に遭遇すれば,ホテルの部屋を出た直後にフロントに直行し,ホテル従業員に対し泣く泣く強姦被害を訴え,その従業員は,即座に警察に通報したはずである。ところが,詩織は,ホテルにも強姦被害を訴えていないし

強姦致傷の被害者はみな、フロントに直行して泣く泣く訴えると決めつけている。レイプされた人がどんなに恥ずかしい思いを抱え、ショックで、理屈に合った行動などとれないということをわかっていない。
また、この弁護士によれば、強姦被害者は詩織さんのように「痛い、痛い」と訴えるのではなく、「止めてください」と懇願するのだそうです。

■『痛い,痛い』と何度も「間の抜けた」痛みを訴えるのは,詩織ぐらいなものではなかろうか

とまで書くに至っては人間性を疑ってしまいました。最後のほうに、この人は詩織さんが訴えた相手側の弁護士であることを自ら明かしています。

実は、伊藤詩織さんにお手紙を書こう、多くのみなさまに読んでもらいたいと思ったのは、この人のブログを目にして、つくづく考えさせられたからです。

詩織さんが被害を訴えずにその場から逃げ出したことで、こんなに責められることになってしまっているけれど、私たちは、私たちをレイプした男の車に再び乗るという、もっと理屈に合わないことをした。レイプという犯罪は本当に特殊で、被害に遭った直後は混乱して、理屈に合わないことをしてしまいがちだということを、私たちは25年前に身をもって知っていたわけです。

そして、理屈に合わない行動を「この子たち、おかしいんじゃないか」「レイプではなかったんじゃないか」と叩かれて、生まれて初めて「絶望」を味わいました。もし、レイプされた後でそのまま殺されていたなら、こんなに非難されることなく、殺人事件の被害者として同情してもらえたのではないか。だから、きっと私たちは殺されたほうがよかったんだと。

被害者がいかに判断力をなくしているか、そのためにおかしな行動をとったことを「安全なところにいる人」が叩くことがいかに残酷で、いかに被害者を追い詰めているか、私たちはきちんと訴えるべきだったのではないか。連日、あらゆるメディアで取り上げられ、世間の注目を浴びたレイプ事件だったので、私たちが訴えれば気づいてくれる人も少なくなかったのではないか──。

そう思ったら、25年かかってしまいましたが、社会に向かって言わずにいられなくなりました。性犯罪の被害者とはこういうものだと決めつけられるのも、被害者にしてはおかしいといわれるのももうたくさんです。受け止められないほど怖い、悔しい目に遭ったから、被害者はおかしくなっているのです。どうかみなさん、助けてください。

4につづく
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