大詰めを迎えた外国人労働者の受け入れ拡大をめぐる国会審議。そんな中で飛び出した安倍総理の発言が、波紋を広げています。

 「時差が激しく残っている中において、あしたは法務委員会に2時間出て、ややこしい質問を受ける」(安倍首相・5日)

 「ややこしい質問」とは一体どういう意味なのか、野党側は「国会軽視」だと反発しています。

 「時差ボケで帰ってきたらしんどいとか、そんな姿勢で国会に臨もうとしている。“ややこしい質問”と言われようが、何と言われようが、今のあるこの事態を国民の皆さんに知っていただく」(立憲民主党 辻元清美国対委員長)

 国会では、野党側が新たな資料をもとに安倍総理に質問しました。

 「技能実習生は、この3年間で、69人亡くなっております」(立憲民主党 有田芳生参院議員)

 これは法務省が作成した資料。2015年からの3年間に、69人の外国人技能実習生が死亡した事案があると記されています。多くは20代で、中には10代の死亡事例もあります。

 「日本を本当に愛してやって来たのに、結局、差別され、虐待され、蹴られ、殴られ、自殺をした。そういう人がいっぱいいるのに、これをどのように総括して、新しい制度に入っていかれるのか」(立憲民主党 有田芳生参院議員)

 「亡くなられた例については、私は今ここで初めてお伺いをしたわけで。ですから、私は答えようがないわけでありまして」(安倍首相)

 「ややこしい質問をお聞きします。自殺・凍死・溺死、溺死はこの3年間で7人です」(立憲民主党 有田芳生参院議員)

 「私、その表も見ておりませんから、お答えのしようがないわけですが、法務省において、もしそれが異常な数値であれば、当然それは、どうしてそうなったかということは、対応していくことになるんだろうと」(安倍首相)

 政府側は、詳しい状況については法務省のプロジェクトチームで調査するとしていて、あくまでも来年4月から新たな制度をスタートさせる方針です。

 「今回のこの外国人材の受け入れ、そして共生のための総合的対応策について、法務大臣が指揮をし、しっかりと対応してまいります」(安倍首相)

 「審議時間は確保した」と法案の採決に踏み切りたい与党側と、「議論は尽くされていない」と徹底抗戦の構えの野党側。国会は10日が会期末。与野党の対決は大きなヤマ場を迎えています。

TBS NEWS
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