【ワシントン=塩原永久】米中間選挙を終えたトランプ大統領が、日本などとの貿易交渉への意欲をにじませている。7日の記者会見では自動車に関する対日貿易の不均衡に言及し、「米国を公正に扱っていない」と改めて不満を表明。野党・民主党が下院で多数派を握る「ねじれ議会」の下でも、貿易赤字是正に力を入れる姿勢を示した。

 6日の中間選の大勢判明後、トランプ氏はさっそくツイッターに「(選挙結果を)祝福する外国の友人たちは私との貿易協議を待ち望んでいる」と記載。交渉妥結まで「やり遂げる」と意気込みを語った。
 ホワイトハウスでの7日の会見では、「日本は何百万台もの車を送り込んでくるのに、米国の車は買わない」と指摘。対日赤字の多くを占める自動車の輸出入に矛先を向けた。

 一方、貿易問題で厳しく対立する中国との関係で、トランプ氏は、中国のハイテク産業育成策「中国製造2025」について「とても侮辱的だ」と述べ、政策を取り下げるべきだと強調した。また「中国が経済的に世界を乗っ取るなどということは決して起きない」と語り、中国を押さえ込む考えを示した。ただ、11月末にも開く米中首脳会談で「何らかの合意を目指している」とも述べた。

 中間選の結果、上院を共和党が、下院を民主党が掌握する「ねじれ議会」となった。トランプ政権は、議会の手続きを前提としない外交や通商分野で成果を急ぐとの見方がある。

産経新聞
2018.11.8 10:37
https://www.sankei.com/world/news/181108/wor1811080019-n1.html