文科省の局長級幹部らが逮捕・起訴された汚職事件で、野党とメディアの姿勢に疑問・批判の声が上がっている。立憲民主党や国民民主党は、所属議員をめぐり、事件関係者との交際や疑惑が取り沙汰されているのに、公式に説明していないのだ。左派メディアの徹底した“無関心”も、「モリカケ」問題でのキャンペーン報道とは、あまりにも対照的だ。

 東京地検特捜部は15日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の業務をめぐる収賄罪で、文科省前国際統括官の川端和明容疑者(57)を起訴した。また、川端被告への贈賄罪で、「霞が関ブローカー」と呼ばれる医療コンサルタント会社の元役員、谷口浩司容疑者(47)を追起訴した。

 谷口被告は、事業を有利に進めるため、文科省をはじめ、中央省庁の幹部に銀座の高級クラブや風俗店などで接待を繰り返していた。

 その際、谷口被告に信用力を与えたのが、国民民主党の羽田雄一郎参院議員が容認した「政策顧問」の肩書だ。同党は、2人の関係や不透明な交際について、だんまりを続けている。

 さらに注目すべきは、立憲民主党の衆院議員に関する情報だ。

 共同通信は13日、この衆院議員が、東京医科大の前理事長=別事件の贈賄罪で在宅起訴=から、2016年11月の創立100周年記念式典への「宇宙飛行士の招待」を相談され、谷口被告を介してJAXA理事だった川端被告に話が持ち込まれ、派遣が実現したと報じた。

この議員は、谷口被告との交際は認めている。議員の資金管理団体は14年、東京医科大学の前理事長も所属する「日本眼科医連盟」から3回にわたり、計540万円の献金を受けていた。

 夕刊フジは15日、この議員に質問状を送り、(1)共同通信の報道は事実か(2)献金と前理事長からの相談は関係があるのか(3)東京地検の聴取を受けたか(4)記者会見を開いて説明するか−とただした。

 議員側は回答書で、共同通信の記事を「事実無根」と否定し、前理事長については「日本眼科医連盟からの寄付とは一切関係ない」と説明した。

 (3)と(4)は、出所不明のネット上の自身に関する記述をめぐり、名誉毀損(きそん)の刑事告訴をしたことを理由に「回答を差し控える」とした。

 野党陣営や左派メディアは「モリカケ」問題では、安倍晋三政権を連日攻撃した。今回、一連の事件・疑惑への追及が目立たないが、同様に「政治とカネ」の疑惑に切り込むべきではないのか。

 評論家の屋山太郎氏は「野党もメディアもおかしい。これが与党議員なら大騒ぎになっているはずで、露骨なダブルスタンダードだ。党や関係者が疑惑を公に説明していないのは、無責任極まりない」と批判している。


https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180817/soc1808170009-n1.html