終戦記念日の15日、靖国神社には多くの参拝者に混じって、"若き愛国者"たちも姿を見せていた。AbemaTV『AbemaPrime』では、そんな彼らの思想、原動力に迫った。

■「左翼だって良いことを言うこともあるし、朝日新聞だから全てダメだというのはおかしい」

 「占領されているのに何も言えないような国になり下がっている」。そう新橋駅頭で声を張り上げていたのが、「日本狼の会」の上條進一会長だ。「僕も正直、米軍基地には出て行ってほしい。でも、基地反対のデモをやっている左の人たちには、その後のビジョンがない。自分たちの国は自分たちで守るのが当たり前なんだから、自衛隊を国軍にし、準備をした上で、"もう出て行ってください"と米軍に言うのが筋。ただ、戦後これだけ長い間作られてきたアメリカとの関係を安倍さんがひっくり返すのは難しい。徐々にやっていかないといけないので、とりあえず今はアメリカとは仲良くしないといけないと思う」と話す。

 1995年に設立された「日本狼の会」は、皇室にまつわる記念日にはお祝いの街宣活動、領土問題などをめぐる大がかりなデモ街宣など、行動でその主張を伝えてきた。

 「極右政党や民族主義を訴える政党は世界中どこにでもあって、10%前後の割合を占めている。日本にそれがない理由は、誤解されているところ多いから。日の丸を掲揚したり、自分の民族について主張したりするだけで右翼だと言われてしまう。ただ、これは団体側にも責任があった。ゆすりたかりをやったり、街宣車で脅したり、暴力団と一緒じゃないかと」。

そんなイメージからか、街の人たちからは右翼団体に対し「大きい声で話していて怖い」「宣伝カーが来るのは嬉しくはないと思っている」という声も上がる。それでも日本狼の会は、あえて一目見てわかる「隊服」を着用している。「僕たちはこの国を愛し、国を思って、皆さんの祖国・日本を守るために一生懸命活動しているだけ。右翼団体だと警察に分類されているだけで、自分たちで右翼だと名乗ったことは無いし、仕事をして稼いだ身銭を切って訴えているだけ。ある時、先輩に"イメージが良くないから隊服は脱げ"と言われたことがあった。でもそれはあなた達のせいだと思った。だからこの服を着て良いことをして、逆にイメージを良くしてやろうと思った。金平糖を作り、頭を下げて配る。最初は怖がるけれど、みんな喜んでくれる」と強調する。

自らの思想について上條会長は「右翼・左翼と色分けされるが、我々は民族主義的な団体で、まずここにいる親・兄弟や周りの人たちが幸せじゃなかったら国も何もない、という考え方。まずはとにかく働いて家族を養う。友達も食べていける。それが村になり街になり、国になるのが幸せ。そこに伝統である天皇陛下が来られて、みんながまとまるというのが理想。だから"天皇陛下のためなら死んでもいい"という考え方とは違うし、自分の身の回りの人を幸せにできない人が天皇陛下だなんだというのは間違っていると思う」と説明する。

 「いいところはいい、悪いことは悪いという。左翼だって良いことを言うと感じることもあるし、朝日新聞だから全てダメだというのはおかしい。ただ、マスメディアは安倍さんの悪い部分は散々批判するのに、いいことは取り上げない。沖縄の基地問題でも、県民全員が反対していると思ってしまうような報道をしている。でも実際は基地がないと仕事ができない若い人や、アメリカ軍がいなかったらどうするんだという意見の人だって結構いる」。

 それでも中国・韓国には厳しい見方を示す。「売られた問題は買わないといけない。色んな意味で反日教育をし、反日分子を作っている。いくら日本が友好的にお金を出しますといっても、慰安婦問題のようにまた次のお金を出せと言ってくる」。

つづく

AbemaTIMES
2018年08月16日 17:49
http://blogos.com/article/318469/