https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180808-00000008-sasahi-pol

作家の室井佑月氏は、自民党総裁選での石破茂元幹事長と小泉進次郎衆院議員の動きに期待する。

「飛ばない男、飛べない男といわれているが、やるときはやる!」と、パーティーの席で豪語していた岸田文雄センセだったが、やっぱり飛べなかったのね。

 センセはきっと、ニュージーランドにいるキーウィみたいな鳥なのですね。

 岸田さんは憲法9条改正に慎重だし、インテリだと聞いていたから、次の自民党総裁、安倍首相と真逆な感じ、というので期待していた。

 ま、当初から岸田さんは、目立たず騒がず、安倍首相からの禅譲を狙っているといわれていた。考えてみたら、そんな人の出番なんてないほうが良かった。

 勇気を持って安倍政権のおかしさを指摘できる人じゃないと。権力私物化、ルール無視の、安倍政権の総括をできる人。膿を膿だといえる人。

 勇気を持って、っていわなきゃいけないところからして、この国はおかしくなっているんだけどさ。

 もちろん、総裁選は自民党員・党友だけで行われると知っている。けど、カルトのような安倍首相の熱狂的ファンは、ネットなどで、安倍さん以外を落とすためのデマでもなんでも流すだろう。それに対抗するには、その他大勢の、多くの見張り役や、カウンターとなる声が絶対に必要だと思うのだ。

 安倍首相が簡単に圧勝したら、安倍一強がどこまでもつづいてしまいそう。なにしろ、長いものには巻かれとけ、という人々が大勢なのだ。この国の、あたしたちの、道徳観や倫理観はどこまでも壊れていく。

 この際、徴兵制は苦役ではないといいはる、石破さんの戦いぶりに期待するよりほかない。

 とりあえず国会で言葉のキャッチボールくらいできる人のほうがいいじゃん。それができないと恥ずかしいと感じる人のほうが。

 石破さんの惨敗が予想されているが、なかなかどうして、石破さんのあの目は、爪の鋭い猛禽類よ。総裁選を盛り上げ、多くのメディアの前で、安倍政権のおかしさを語りまくってくれると信じたい。爪痕を残してくれると。

 東京新聞の2018年7月29日付朝刊に、「石破氏『幾晩も寝られない』」という見出しの記事が載っていた。

<自民党の石破茂元幹事長は、二十七日付の自身のブログで、(中略)岸田文雄政調会長が総裁選不出馬を表明したことに関し、「『岸田派は人事で干しあげるべきだ』などという声が主流派幹部から発せられているとの報道がある」と指摘。「本当だとすれば、なんと傲慢(ごうまん)で不遜なことか。自民党は一部のみの政党ではない。党員すべてのものだ」と訴えた>

 その通りなんだけど、石破さん、ここはもっと高くまで飛び立って、「この国は安倍首相のものじゃない」くらいまでいっちゃって!

 でもって、スンズローくん(小泉進次郎センセ)はなにしてる? 今だ、飛べ! かき回せ! あなたが動くとカメラが集まる。キーウィなんかになるな。

※週刊朝日  2018年8月17-24日合併号