文部科学省の汚職が止まらない。
息子の医学部合格と引き換えに、国の補助金給付で便宜を図っていた前科学技術・学術政策局長にはあきれたが、
次に逮捕された前国際統括官(局長級)には、もっと驚かされた。

一部報道によると、高級風俗店や高級クラブで接待漬けだったという。
「いまどき、そんな絵に描いたような汚職とは」と、びっくりする。

さて、局長級が2人も捕まったとなると、これはもう特異な2人の事件とは言えない。
文科省という組織にこそ根本的な問題がある。

 そこで思い出すのは、あの前川喜平前文科事務次官である。
よく知られているように、前川氏は天下り問題で次官を辞職した人物だ。
文科省の報告書を読むと、前川氏は官房長、文部科学審議官時代を通じて、一貫して天下り斡旋に深く関わっていた。

天下り斡旋も贈収賄も、根本にある違法性は同じである。
天下りは再就職できれば、見返りに相手企業や団体に便宜を図る。
一方、贈収賄は相手から金銭やサービスを得て、あるいは裏口入学を認めてもらって、
見返りに補助金給付や契約で利益を与える。

 天下り斡旋は、まさに「文科省ぐるみ」だった。そんな組織の腐敗体質が、
そのまま今回の汚職事件の底流にある、とみて間違いない。

「霞が関ブローカー」といわれた贈賄側のコンサルタント会社元役員は、野党議員2人と懇意にしていたという。
うち1人については、元役員に「政策顧問」という肩書を与え、ブローカーはその名刺を永田町や霞が関で持ち歩いていた、と報じられた。

 野党議員に説明責任が求められるのは当然だが、左派系マスコミが野党議員との関係を報じないのは、どういう訳か。

前川氏を「政権追及のスター」扱いする一方、野党に都合の悪い話は一切、目をつぶる。

 正義を掲げる彼らのダブルスタンダード(二重基準)も「ここに極まれり」になってきた。文科省汚職の「もう一つの真実」である。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180804/soc1808040004-n2.html