「働き方改革」一括法案に含まれる「残業代ゼロ制度」(高度プロフェッショナル制度)について、厚生労働省が必要性について聞き取り調査をした12人のうち、法案要綱の作成前に聞き取りをしたのはゼロで立法根拠にならないことが12日、分かりました。同省が、参院厚労委員会理事会に示しました。

 同省が聞き取りしたのは12人。すべて企業が選んだ人ばかりで、実施時期は15年3月31日が1人、同年5月11日が2人。今年1月31日が6人、2月1日が3人。法案は15年3月2日に要綱が示されており、聞き取りはすべて後づけでした。

 うち9人は、加藤勝信厚労相が自ら聞き取りをしたと答弁した後に行われたことが分かりました。同じ会社の人も複数おり、聞き取り会社は5社です。

 12人のうち9人は人事担当者が同席していたことも判明。同席を指摘した、しんぶん「赤旗」日曜版の報道が裏付けられました。

 聞き取り調査は、高プロの必要性を示す唯一の調査として持ち出されたものでしたが、根拠がなく、撤回する以外にないことが浮き彫りとなりました。

 同日の委員会で加藤氏は、自分で聞き取りしたというのは虚偽答弁ではないかと野党から追及され、「直接聞いたとはいっていない」と述べ、自分で聴取していないことを認めました。「たまたまそういう方がいるときに、どう思うかうかがった」と言い訳しました。

しんぶん赤旗
2018年6月13日(水)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-13/2018061302_05_1.html