自民、公明両党と立憲民主党などは３１日の衆院憲法審査会の幹事懇談会で、憲法改正の手続きを定める国民投票法改正案について合意した。与党案に沿って現行の公職選挙法とのずれを解消する内容で、６月６日にも共同提出する。野党側は早期の提出に慎重だったが、与党側が野党の求めるテレビＣＭ規制なども今後検討することに同意したため、歩み寄った。【田中裕之、立野将弘】
改正案は、駅や商業施設への共通投票所設置、遠洋航海中の洋上投票の対象者拡大など７項目。自民、公明、立憲民主、国民民主、衆院会派「無所属の会」、日本維新の会、自由、希望の計８党・会派による共同提出を調整する。共産、社民両党は反対している。
幹事懇では、与野党が国民投票法改正に関する申し合わせの文案を作った。改憲の賛否を呼びかけるテレビＣＭ規制のあり方や最低投票率の導入などについて「提案を受け次第、直ちに、真摯（しんし）に検討する」ほか、憲法審で「議論に供し、結論を得る」と明記した。
自民党は国民投票法について公選法と整合させる最小限の改正にとどめ、早急に改憲内容の議論に入りたい考えだ。ただ、立憲など野党は安倍政権のもとでの改憲論議には慎重姿勢を崩していない。野党は秋の臨時国会でテレビＣＭ規制などを協議したい考えで、改憲論議がさらに先送りされる可能性もある。
また与党は７日に憲法審を開いて改正案を即日採決する日程を提案したが、野党は難色を示した。このため５日の幹事懇で日程を再協議し、申し合わせの文案も正式に決める。
野党は国会会期の延長に反対の立場を取る一方で、延長になれば、森友・加計学園問題などで政権追及を続けることも可能になる。立憲の山花郁夫・野党筆頭幹事は改正案について「会期延長があればできる」と記者団に語り、６月２０日の会期内成立は困難との見通しを表明。一方、会期延長を見込む自民党幹部は、今国会での成立を期す構えだ。
毎日新聞
5/31(木) 22:52配信
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