新組織には共産党や社民党、労組などでつくる「オール沖縄」を離脱した県内有力企業も参加し、オール沖縄は事実上、分裂したことになる。
背景には、オール沖縄が革新政党の生き残り策として利用されているとの不満もあり、知事選への影響もありそうだ。
27日結成されたのは「オナガ雄志知事を支える政治経済懇和会」。沖縄市で開いた総会には保守系無所属を含む県議8人の会派「おきなわ」のほか、
オール沖縄を離脱した観光大手「かりゆしグループ」と建設大手「金秀グループ」の関係者も出席した。
翁長氏は15日に膵(すい)がんを公表した。知事選に向け健康不安はぬぐえないが、
総会に出席した謝花喜一郎副知事は「映像で見るよりも、ご本人ははるかに元気だ」と強調した。
ただ、保守と革新が混在して翁長氏を支える態勢は一枚岩とは言い難い。
会派「おきなわ」幹部は「オール沖縄の名前を使うのはおかしい。有権者へのごまかしだ」と憤る。
県内市長選ではオール沖縄系候補の敗北が続き、全11市のうちオール沖縄系は2市にとどまる。
自民党県連幹部は「オール沖縄ではなくパーシャル沖縄だ」と揶揄(やゆ)する。
それでも革新政党にとってオール沖縄は魅力的な看板となっている。
共産党が昨年の衆院選で選挙区を制したのは沖縄1区の赤嶺政賢氏のみ。社民党も照屋寛徳氏=沖縄2区=が唯一の選挙区当選者だった。
懇和会の幹部は「革新政党はオール沖縄にしがみつこうとしている」と手厳しい。
一方、会派「おきなわ」はオール沖縄から離脱したわけではない。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対で、
政府と距離を置く。懇和会会長の赤嶺昇県議会副議長は27日の記者会見で、革新政党側と協力する考えを示したが、
「翁長氏はもともと保守系だ」と強調した上で、こう牽制(けんせい)した。
「オール沖縄勢力の実態がどうなのか、なかなか見えにくい」(杉本康士)
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0527/san_180527_2800686699.html