立憲民主党の枝野幸男代表が26、27日に沖縄県を訪れ、秋の同県知事選を見据えて今夏の県連設立をめざす考えを表明した。ただ、基地問題をめぐる民主党政権時代の「トラウマ」を今も抱え、車座集会や地元議員との懇談を通じた足場固めから始める考えだ。

枝野氏は27日、翁長雄志(おながたけし)知事に立場が近い地元議員らと那覇市内で面会。鳩山政権時に米軍普天間飛行場の移設問題で県民の不信を招いたことを念頭に「反省と教訓を踏まえ、どうしたら沖縄の思いに応えられるか。真摯(しんし)に進めていく責任を負っている」と述べた。

 立憲は普天間の名護市辺野古への移設について、「ゼロベースで見直す」として党内に再検証委員会を立ち上げた。ただ、具体的な対応策について枝野氏は「外交交渉(次第)だ」と述べるにとどめている。

 基地問題で慎重に対応せざるを得ないなか、昨秋の衆院選以来の訪問となる今回はあえて離島・宮古島から入り、子どもの貧困や教育など沖縄が抱える問題を中心に26日に住民と意見を交わした。

 枝野氏は「現場の声を聞くことは『草の根からの政治という(党の)原点』からも大事だ」と語り、民主党時代から組織が脆弱(ぜいじゃく)な沖縄で集会や懇談を続け、体制づくりを進める考えだ。(及川綾子)

朝日新聞
2018年5月27日23時01分
https://www.asahi.com/articles/ASL5W44MXL5WUTFK00D.html