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 学校法人「森友学園」(大阪市)を巡る補助金詐欺事件で、詐欺罪などで勾留されていた前学園理事長の籠池泰典(65)と、妻諄子(61)の両被告が25日、10カ月ぶりに保釈された。大阪市内で記者会見した籠池被告は、国有地取引に安倍晋三首相の妻昭恵氏の影響があったことを改めて示唆。捜査批判を繰り返す一方、起訴内容に関する自身の認否については明言を避けた。

 両被告は、大阪地検特捜部に逮捕された昨年7月から勾留された。大阪地裁がこの日、保釈許可決定を不服とした地検の準抗告を棄却。保釈金は籠池被告が800万円、諄子被告は700万円だった。

 両被告は同日夕に大阪拘置所を出て、午後8時から記者会見。スーツ姿の籠池被告は頬が少しこけ、諄子被告はかなり痩せたように見えた。

 会見の冒頭、籠池被告は「(学園関係者らに)一連の騒動で迷惑をかけ、深くおわび申し上げる」と陳謝した。特捜部の捜査や長期間の勾留について「妻はまったくの冤罪(えんざい)で、詐欺にタッチしていない。国策勾留だ」と批判。自身の認否については「今は言えない」と繰り返した。

 学園が建設を計画する小学校の名誉校長だった昭恵氏が取引に影響したかについては「証人喚問でうそは言っていない」と強調。昨年3月の喚問では「(昭恵氏付の政府職員を通じて)財務省に働きかけていただいた」などと述べていた。安倍首相夫妻に言いたいことを問われると、「本当のことを言ってほしい」と注文をつけた。

 また、取引に関する財務省の決裁文書が改ざんされたり、交渉記録が廃棄されたりしたことについては、「国家公務員がすることではない。国民に対する背信だ」と批判した。

 一方、「小学校の建設はあきらめていない」などと持論も展開。諄子被告は記者の質問にほとんど答えず、涙ぐむ場面もあった。

 起訴状によると、両被告は2011〜16年度、幼稚園の運営や小学校建設に関する大阪府・市と国の補助金、計約1億7700万円をだまし取るなどしたとされる。【遠藤浩二、山崎征克、岡村崇】