【ワシントン=黒瀬悦成】中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)から約380キロに位置する福建省霞浦県の水門空軍基地の機能を大幅に拡充させていることが、米軍事情報誌「ディフェンス・ニュース」の分析で明らかになった。

 同誌が今年4月に撮影された水門基地の商業衛星写真を解析したところ、中国の主力戦闘機J11やJ16を収容可能な格納庫24棟や新たな誘導路が完成間近であることが判明した。

 新たな格納庫は4棟ずつがひとまとめとなり、長さ約2・7キロの滑走路の周辺や航空機の待避区域に分散配置されている。

 待避区域には既に迷彩を施された耐爆格納庫15〜20棟が確認されているという。

 同誌は、中国空軍は通常、格納庫を横一列に整然と配置することが多いが、水門基地で分散配置されているのは、中国が同基地を日本や台湾をにらんだ「最前線」と位置づけている表れだと指摘した。

 その上で、格納庫の増設などから判断し、中国が水門基地を単なる前線拠点としてではなく、航空連隊または航空旅団規模の部隊を常駐させた本格的な作戦基地として運用しようとしていると強調した。

 水門基地では既にJ11などの戦闘機約12機が巡回配備されており、沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡の上空を通過して西太平洋に向かう中国空軍の爆撃機や情報収集機に随伴するなどの活動を行っている。

 防衛省によると、5月11日にH6爆撃機4機を含む中国軍機計8機が宮古海峡上空を通過した。

産経新聞
5/20(日) 7:55配信
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