西日本新聞。
疑惑解明が一向に進まないのは政府と与党の責任が大きい。文書を公表しない、疑問に正面から答えない、関係者の国会招致を拒む−。なぜ、そんな不誠実な対応を繰り返すのか。

 愛媛県の中村時広知事は、首相官邸での面会で柳瀬氏が「本件は首相案件」などと話したとする県職員作成の備忘録を公表していた。参考人質疑で柳瀬氏が「首相案件」発言を否定し、
愛媛県職員との面会についても曖昧な答弁をしたため、中村知事は県職員が面会で受け取った柳瀬氏の名刺を公開した。

 両者の主張は明らかに食い違う。ならば、中村知事も参考人として国会に呼ぶのが筋だ。

 本人も応じる構えなのに、野党が求める知事の招致を与党は拒んだ。またも後ろ向きである。何か不都合でもあるのか。国民の疑念は深まるばかりだ。

=2018/05/16付 西日本新聞朝刊=