森友学園をめぐる問題で、国有地の売却交渉が行われていた当時、財務省の理財局長を務めていた迫田英典元国税庁長官が、大阪地検特捜部から任意で事情を聴かれていたことが、関係者への取材でわかりました。特捜部は、国有地が大幅に値引きされて学園側に売却された経緯などについて詳しい説明を求めたものと見られます。

おととし6月、大阪・豊中市の国有地が、ごみの撤去費用などとして、鑑定価格よりおよそ8億2000万円値引きされて森友学園に売却された問題をめぐっては、大阪地検特捜部が背任容疑での告発を受理し捜査を進めています。

特捜部は、これまで財務省や近畿財務局の担当者などから事情を聴くなどして捜査を進めてきましたが、新たに学園側との売却交渉当時、財務省の理財局長だった迫田元国税庁長官から任意で事情を聴いたことが、関係者への取材でわかりました。

この問題をめぐっては、近畿財務局の担当者が学園側が支払える予算の上限をあらかじめ聞き出していたことや、ごみの撤去費用を算定した大阪航空局に撤去費用を増やすよう求めていたことなどが次々に明らかになっています。

迫田氏は去年3月の国会で、「この件について報告を受けたことはなく、政治的な配慮などは一切無かった」などと述べていますが、特捜部は国有地売却の詳しい経緯などについて迫田氏から改めて説明を求めたものと見られます。

一方、特捜部は財務省の決裁文書の改ざん問題についても、迫田氏の後任の理財局長だった佐川氏などから事情を聴き、実態解明を進めています。

5月2日 17時59分
NHK NEWS WEB
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