https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180415-00010000-huffpost-soci&;p=1

1年の沈黙破り、単独インタビューに応じた

安倍政権への批判が強まり、国会前が再び政治の舞台になっている。その中で、かつて国会前デモのアイコンだった元SEALDsの奥田愛基さんは、メディア上で沈黙を保ってきた。彼はいま、何を考えているのか。本人が「1年ぶり」のインタビューに応じた。(石戸諭・ハフポスト日本版)

(略)

僕の周りには、いろいろ考えた上で、デモで発言することを選んだ友達がいる。

彼なりに考えてデモに人生を賭けた。このイベントは、その手前の自分たちがどんな社会に生きてるかとか、葛藤であったり、そしてまた迷いつつも表現したり、そういうものを共有できる場にしたいんですよ。

できれば俺と真逆の考えをしている人も呼びたいんですよね。それも一つのリアルですから、居酒屋で言い合いになる友達もいるんですよ。

「お前はサヨクの手先だ」とか言われて、笑いながら「いや、ちげーし」と言い返したりして(笑)もうそのやりとりそのまま見せたいですね。

考えが違っても、楽しくお酒は飲めるし、語ることだって楽しい。現実ってそんなものだと思うんです。もっとおおらかというか。

インスタレーションのコンセプトは『ストリート』です。デモにいく人も、クラブに行く人も、地続きのストリートにいる。

そんなリアルを表現してみたい。》

カルチャーを作りたい

奥田さんは「初めてのイベントだから、本当にクラウドファウンディングで資金が集まるかも含めて不安だらけなんですよ」と、ぽつりとこぼした。メールの出しかた、依頼の仕方から手探りである。

「お世話になっております」という書き出しで、メールを大量に送るのも、それまでやったことがない経験だった。注目を集めた国会前デモとは違う形で、奥田さんは社会との関わりを模索し始めている。

こんな出来事があった。

《実家がある北九州でずっと仲良かった、友達がこの前突然亡くなってしまったんですよ。その時に思ったんです。

ずっと体調も悪くて、どうしようって思っていたけどカッコ悪くても、ダメになっても、何があっても生きていこうって。『俺は生きているよ』って定期的に発信することが大事だって、恩師からも言われました。

1年ちょっとあんまり表に出なかったけど、やっと自分ができることを見つけたって感じです。》

自分にできることと、やりたいことを考えてたどり着いた現在の目標をこう表現する。

《やっぱり、『政治』って狭い括りじゃなく、カルチャーをつくる側にいたいなって思ってます。こっちで生きてますよーって。

そんな決断はダメだとか、イベントは無理だっていう人もいると思うんですよ。でも、ダメならダメでいいんですよね。俺はつくるしかないって思っています。

カルチャーをつくろうとする態度、何度でも0を1にしようとする意思、それ自体が大事だと思うんです。人間は何度でもやり直せる。》

一呼吸おいて、こう続ける。

「大変だけど、今が一番楽しいです。等身大でいられるから」

苦しんだ時期を抜けて、自分が楽しいという場から社会へ。第二幕が始まる。