https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180411-00000004-ykf-soci

 学校法人「森友学園」と「加計学園」の問題が再燃してきた。森友学園では、国有地売却をめぐり、8億円値引きの根拠となったゴミ撤去費用に関し、財務省が学園側に口裏合わせを依頼していたことが発覚。加計学園では、愛媛県が「ない」としていた獣医学部新設に関連する文書を残していたことが分かった。野党や一部メディアの追及激化は必至だ。こうしたなか、市民や市民団体などが、森友問題のキーマンらを刑事告発している。佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官だけでなく、何と「違法なリーク」に関わった疑いがあるとして、大阪地検の女性特捜部長や、民進党前代表代行の江田憲司衆院議員まで対象になった。

 「検察が捜査情報をリークすることは許されないが、現状は、大阪地検による漏洩(ろうえい)疑惑が指摘されている。告発を通じ、何が真実なのかを明らかにしてほしい」

 森友問題をめぐり、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で、大阪地検の女性特捜部長と、江田氏への告発状を、7日付で最高検に提出した都内在住の40代男性は9日午後、夕刊フジの取材に、こう語った。

 男性は「飛騨守右近『元祖刑事告発人』」の名前で、ツイッターで時事問題について発信し、与野党問わず政治家の悪事・疑惑などについて刑事告発している。以前、舛添要一前都知事を政治資金規正法違反容疑で告発したこともあるという。

 今回、大胆な行動に踏み切ったのは、江田氏が4日夜、《大阪地検の女性特捜部長のリークがどんどん出てくる。NHK「何千台分のトラックでゴミを撤去したと言ってほしい」と(財務省)本省理財局の職員が森友学園に要請と。ネタ元はメールらしい》《(特捜部)頑張れ!》と、ツイートしたのがきっかけ。

 投稿を読んだ男性は告発状で、江田氏が女性特捜部長から《直接、情報を入手し本件をリークしたとの疑いがある》として、次のように主張している。

 《捜査情報を漏らしたとなれば、(中略)重大な犯罪を起こしている疑いさえ持たれても当然である。これは検察が司法機関として、国民からの信頼を失墜させる重大な案件である》

 確かに、捜査中の情報が次から次に一部メディアで報じられている。国家公務員には守秘義務がかけられており、基本的にリークは犯罪である。

 『徹底検証「森友・加計事件」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)の著書がある文芸評論家の小川榮太郎氏は5日、江田氏のツイートについてフェイスブックで次のように言及した。

 「事は極めて重大だ。野党、一部主流メディア、検察が結託して、違法なリークをして倒閣に利用したとなれば、憲法破壊事態そのものだ。こんな事を一度でも見逃せば、背後に外国勢力がついて、日本政府を幾らでも脅迫、コントロールできる事になる(抜粋)」

 「江田氏のツイートは民間のブロガーの噂話とは違う。国会議員の外に向けての発言だ。NHKの『口裏合わせスクープ』の前には(野党)議員がスクープを吹聴して回っていたとの情報がある。これは政争のレベルではなく国民の信託を受けた政府への破壊行為=主権簒奪(さんだつ)であり、権力分立、言論の自立と節度を踏み躙る、プロパガンダによる民主主義の破壊だ(同)」

 江田氏が指摘したNHKのスクープをめぐっては、財務省が9日の参院決算委員会で、理財局職員が昨年2月、学園側にごみ撤去費について口裏合わせを依頼したことを認めた。本当に、漏洩はなかったのか?

 大阪地検は6日時点で「捜査情報を外部に漏らすことはない」と全面否定した。告発状提出を受けて9日午後、「特段、コメントすることはない」と回答した。

 江田氏は6日段階で、ツイートについて「NHKの報道振りや諸情報から、私なりにそう判断した」「『捜査』を応援する趣旨で書いた」と答え、一連の報道について「特捜部リーク説」を堅持していた。

 今回の告発状提出を受けて、江田氏は「本件については、これまで説明している通りです。女性特捜部長と特掲した点は、すでに言葉足らずとして訂正しており、彼女とは面識もなければ、捜査内容について話したこともありません」と夕刊フジに回答した。


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