https://www.jiji.com/jc/article?k=2018032100467
リニア中央新幹線工事をめぐる談合事件で、大手ゼネコン側がＪＲ東海に対し、入札を行わない
随意契約で発注するよう働き掛けていたことが２１日、関係者への取材で分かった。同社が拒んだことから
ゼネコンの担当者らは業者間の受注調整に方針を転換したとみられる。
公正取引委員会は同日までに独禁法違反（不当な取引制限）容疑で大成建設、鹿島、大林組、清水建設の４社と、
大成建設元常務執行役員の大川孝（６７）、鹿島専任部長の大沢一郎（６０）両容疑者ら各社の担当者を
２３日に刑事告発する方針を固めた。東京地検特捜部は告発を受け、いずれも同日起訴する見通し。
ＪＲ東海などは、国が２０１４年１０月にリニアの品川−名古屋間の工事実施計画を認可したことを受け、
発注手続きを開始。昨年末までに計２４件の契約を締結したが、うち２３件は複数業者が入札に参加する
「競争見積方式」で企業を選定した。
関係者によると、東海道新幹線の運行を継続しながら直下で進める品川、名古屋両駅の新設工事で、
ＪＲ東海は高い安全性を要求。適切な施工方法の事前調査を特定のゼネコンに依頼し、多額の費用も負担させていた。
このため、大成建設や大林組などの担当者らは、事前調査を請け負った工事を確実に受注できるよう
ＪＲ東海に随意契約を要請した。しかし、断られて複数企業による入札となったため、受注調整を進めたという。
