民進党の離党ドミノが代表経験者にまで波及した。26日に離党届を提出し、立憲民主党に入党届を出した蓮舫氏は代表辞任を表明した5カ月前まで先頭で党再生を唱えてきた人物だ。2年後の参院選をにらんだ党改革の議論が山場を迎える中での離反は「投げ出し」との評価を免れない。

 「今でも民進党は私の大切な故郷だ」

 蓮舫氏は、立民への入党届提出後、臆面もなく記者団にこう語った。「再生に向けて努力している大塚耕平代表に全面的に協力したいと思っていたし、直言や提言もした」との言い訳がましい釈明まで口にした。

 旧民主党時代から党の看板だった蓮舫氏の立民入党は、党内に複数いる「離党予備軍」を浮足立たせることになりそうだ。杉尾秀哉参院議員は26日、党執行部が目指す立民、希望の党との統一会派結成構想に絡み「希望とだけ統一会派を組むことになるなら、そのときは離党する」と記者団に公言した。

 蓮舫氏は離党と立民入党の理由について「政策を最優先したい」と説明したが、その言い分に「大義」はない。任期途中で代表を降りたのは自らの力不足を認め、身を引くことで「より強い民進党」を築くためと主張していたからだ。

 そもそも「二重国籍」問題で党の信頼を失墜させた張本人でもある。それにもかかわらず崩落寸前の党から逃げ出した蓮舫氏に対し党内の見方は冷ややかだ。参院幹部は「本人に『今離党したら政治生命が終わるぞ』と伝えていた」と突き放した。蓮舫氏が7月の代表辞任表明の記者会見で語った言葉が空々しく響く。

 「一議員に戻ります。足りないところをしっかり補います。民進党はまだまだ強くなる。しっかりと受け皿になる力がある」 (松本学)

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