https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171216-00201635-toyo-bus_all

 12月14日、民進党の蓮舫元代表が離党して立憲民主党に入ることを検討しているとの話が突如浮上した。昨年から今年前半に掛けて、党勢凋落の原因をつくったともいえる蓮舫氏は、何を考えて民進党を去ろうとしているのか。そして、そのような離合集散を演じている民進党系3党(民進党、希望の党、立憲民主党)は、決着点として何を目指しているのか。直近の動きをトレースしながら分析していこう。

■「生まれ変わって」

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■民進党の低迷は2016年7月に顕著になった

 しかし民進党の低迷は、都議選に始まったことではない。具体的にいえば、2016年7月の都知事選で鳥越俊太郎氏を候補にし、同年9月の代表選で蓮舫氏を選んだことから顕著になったのではないか。「政策は3日あればできる」などという認識の甘さが出た出馬会見の様子を述べるまでもなく、鳥越氏が知事として不適格なのは明らかだった。週刊誌が報じて支持率急落の原因になった女性問題も、事前に党本部が把握していたという。

 蓮舫氏にしても代表になった後、二重国籍疑惑に真摯に答えようという姿勢を見せず、「私は日本人」を貫こうとした。現行の国籍法によれば、二重国籍は罰則がないが違法であることは間違いない。我々が知りたかったのは、「日本人であること」ではなく「日本以外の国籍を持っていないこと」であり、参議院議員が法を侵していないかどうかだった。

 そしてようやく蓮舫氏が戸籍を開示した時、それまでの自分の政治家としての解怠を棚に上げ、「こういう差別的なことがこれから起こらないように」と差別問題に転嫁しようとした。こうした責任転嫁のような言動を多くの国民が納得すると思ったのだろうか。

 むしろ、2017年は民進党にとってはチャンスの年だった。森友学園問題を受けて安倍内閣の支持率が大きく低下する場面があったためだ。とりわけ7月、8月は多くの世論調査で内閣不支持率が支持率を上回った。ところが、これが民進党の支持率上昇には結び付かず、むしろ政党支持率を下げている。まさに蓮舫体制末期時代だった。

 そんな蓮舫氏は、大塚代表以下の執行部に協力し、民進党を組織として動かす方向に力を貸すのが筋だろう。この段階で、立憲民主党に移るのだとしたら、それはあまりにも厚顔無恥といえる。

 そのような蓮舫氏であっても、「賛同していただければ有難い」と枝野氏は受け入れるつもりのようだ。立憲民主党は、民進党からの党ぐるみの合流は受け入れないが、個人が入ることは歓迎している。ただ、さまざまなメンバーがいる。中には個人的なトラブルを抱えている人もいるため、安易な合流を許せば、それが党のイメージダウンとなり、支持率が下落する懸念もある。実際に結党当初、判官贔屓もあってか10%半ばも記録した政党支持率は、最近の調査ではおおむね1桁になっている。

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