詩織さんレイプ事件で逃げ答弁 警察庁に“第2の佐川長官”
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2017.12.06

 国民の追及から逃れられると思ったら大間違いだ――。安倍首相は「モリカケ問題」の幕引きに躍起だが、忘れちゃならない事件がある。安倍と昵懇の元TBSワシントン支局長の山口敬之氏(51)が、ジャーナリストの伊藤詩織さん(28)を2015年4月にレイプしたとされる疑惑だ。

 6日、国会議員の有志が超党派で「『準強姦事件逮捕状執行停止問題』を検証する会」の第3回会合を開く予定だが、これに先立ち、5日、衆参両法務委員会でこの事件が取り上げられた。

 最大の焦点は「警察権力のトップが捜査に不当介入したのかどうか」で、中村格警察庁総括審議官(当時・警視庁刑事部長)は、山口氏に対する逮捕状の執行停止を「決裁した」と認めている。

 5日は、希望の党の柚木道義衆院議員や民進党の有田芳生参院議員がそれぞれ質問に立ち、警察対応を追及。ところが、答弁に立った警察庁の大賀真一官房審議官は「個別案件については答えられない」「(決裁文書について)把握していない」――などと“ナイナイ答弁”を繰り返した揚げ句、答えても「一般論として」と枕ことばをつけて逃げまくったのだ。まるで森友問題で官邸の“守護神”と言われた、佐川宣寿国税庁長官の答弁とそっくりだ。いったい何者なのか。

「京大法学部を卒業して警察庁に入庁したキャリア官僚です。本庁や県警、府警で捜査2課長、捜査1課長、刑事部長などを務めたことがあり、刑事部門の経験が長い。今年9月から現職です」(警察庁関係者)

 大賀氏は北海道警の警務部長だった2012年、道警で不祥事が相次いだことを受け、全国紙のインタビューで「税金で仕事をしている警察職員として極めて情けない」と答えている。それが今やどうだ。自分の姿は情けないと思わないのか。委員会で質問した有田芳生参院議員がこう言う。

「詩織さんの事案に関する国会答弁で、関係省庁は一貫して『個別案件について答えは差し控える』としてきました。当時の刑事部長が逮捕状を執行停止したり、捜査員が示談を求めていない詩織さんを弁護士のところへ連れて行って示談を要求したり、オカシなことだらけです」

 佐川長官も大賀氏も「税金で仕事をしている官僚」としての自覚が全くない。