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「共闘と(共産党の)躍進の一体的追求に挑戦しようということが、みんなの決意になった」
志位和夫委員長は3中総閉幕後の3日夕、党本部での記者会見で力を込めてこう述べた。
3中総では、衆院選の野党共闘の成果として、険悪な関係が長年続いてきた連合の傘下労組との連携が進展していることなどが報告された。志位氏は会見で「自治労、日教組傘下の労働組合との協力が広がった。歴史的な、大変重要な変化だ」と喜んだ。
とはいえ、衆院選の結果に目を向ければ、共闘の効果には疑問符が付く。比例代表の獲得票は前の衆院選の約606万票から約440万票へと激減し、選挙区を含む議席は公示前の21から12に落ち込んだ。立憲民主党は16から55(追加公認含む)に議席を積み増しており、共産党の票が共闘した他党に流れていることは明白だ。
こうした結果に陥った一因は、共産党が一方的に候補者を降ろし共闘勢力全体の議席を増やす方針をとったことにある。志位氏が2日の幹部会報告で「本来、選挙協力は相互的なものだ。次の参院選では、過去のような一方的な対応は行わない」と明言したのは、片務的な選挙協力の限界を感じたからにほかならない。
ただ、共産党と政権はともにしない立場を堅持する立憲民主党や民進党にとって「相互推薦」のハードルは高い。政権樹立と選挙協力は別だという前提に立ち、共産党との関係を「阿吽(あうん)の呼吸の候補すみ分け」(旧民主党閣僚経験者)にとどめたいのが本音だ。
「まだ他党との関係について考える段階ではない」
立憲民主党の枝野幸男代表は2日、都内で記者団にこう語り、共産党が相互推薦の方針を掲げたことへの言及を避けた。一方、福山哲郎幹事長は3日放送のラジオ日本番組で、次期参院選の野党共闘について「いろいろな意味で協力関係をつくっていかねばならない」と述べており、行く末は五里霧中だ。
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