改憲は国会で全会一致になるくらいの国民的合意が必要、というのはまともな考え。
憲法とは国民一人一人の自由と権利を守るための公権力制限の仕組みだから、
多数派によって少数派の自由と権利を抑圧するような改憲がなされては、
そもそも「憲法」の名に値するような改憲になりえないからだ。
「なるほど、これなら我々の自由と権利がより守られる」と、
国民全体が納得できるような改憲でなければ、立憲主義に立脚した改憲とはいえない。
安部改憲は、全くその要件を満たしていない。国民全体の納得どころか国民の分断をもたらす。
今の改憲論議自体が、国民が現行憲法に不都合を感じて国民から声をあげたものではない。
改憲発議権のない首相が、読売新聞紙上と右翼改憲団体集会で、突如ぶちあげた改憲案が発端だ。
憲法に最も縛られ憲法尊重擁護義務を課されている首相が改憲を主導するという異常なものだ。
首相主導という異常さ、国民分断をもたらす異常さ、を考えれば、今の改憲論議はまともな改憲論議ではない。