国会報告前にTV出演 “森友疑惑に白旗”会計検査院長の魂胆
2017年11月11日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/217488

“甘噛み検査”でお茶を濁す気か――。森友学園への国有地売却を巡る8億円値引き問題を検査している会計検査院。国会報告は今月末だが、なぜか9日、河戸光彦院長がNHKのインタビューに登場し、検査内容についてアレコレと明かしていたから驚いた。

 会計検査院の院長がわざわざこのタイミングでテレビ出演したのだ。てっきり森友や財務、国交両省をバッサリ切り捨てるのかと思ったら、違った。河戸院長の口ぶりは、モゴモゴというのか、何か奥歯に物が挟まったようだった。

「検証には書類が保存されていることが必要で、その一部が欠けていて、部分的に検証できないような状況は問題がある」
「積算のやり方は特殊な事情があれば、特例的なやり方を考えることもある。正解がひとつとはなかなか決められないのではないか」

■インタビューでアリバイづくり

 一体、河戸院長はインタビューで何が言いたかったのか。会計検査院に「厳正な検査報告」を申し入れた市民団体の醍醐聰東大名誉教授はこうみる。

「国会への報告前に検査内容を示唆するような発言をすること自体、大いに疑問ですが、真相究明を半ば諦めたかのような院長の発言は“検査の限界”を文書管理のせいにして結論をあらかじめエクスキューズする意図が透けて見えます」

 つまり財務、国交両省のズサンな文書管理を理由にすでに白旗を振っているらしい。だが、たとえ文書管理が不十分であっても、会計検査院がソノ気になれば厳正検査は十分可能なのだ。

 8億円値引きの最大のポイントは、値引きの根拠となった埋設物の存在だ。産廃処理にはマニフェスト(産業廃棄物管理票)が残っている。施工業者の藤原工業が5月に豊中市に提出した報告書によると、2016年度に小学校建設予定地から排出した廃棄物はわずか194.2トン。数百万円程度の処理費で済むレベルだ。森友疑惑を追及している山本一徳豊中市議が言う。

「文書がそろっていなくても、会計検査院はマニフェストの確認や実地調査で真相に迫れる。194トン以外に排出した廃棄物があればその記録を探せばいいのです。今も埋設物が地下に残っているのであれば掘り起こしたり、レーダー解析したりすればいい」

 果たして会計検査院は産廃処理の記録確認や実地調査を行ったのか。会計検査院に聞くと「検査中なのでお答えできません」(渉外広報室)と答えるだけ。会計検査院も結局は「吠えない番犬」なのか。

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