2017年10月19日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/215792

 まれに見るほどアップダウンの激しい、目の回るような選挙情勢の変転である。希望の党が彗星のごとく登場した直後には「自民、単独過半数割れか?」との観測が広がったが、その希望への民進党の解党的合流のゴタゴタが災いして、たちまち失速。今週月曜日の毎日新聞では「自民、最大300超も」という驚愕の予想まで飛び出した。

 残り数日間の最終盤でまた何かが勃発してちゃぶ台がひっくり返されるようなこともあるのかもしれないけれども、そんなことでもない限り、与党圧勝はまず間違いないだろう。

 安倍はさぞかし鼻高々で、さあいよいよ改憲発議にまっしぐらと張り切っているんでしょうね? と自民党のベテラン秘書氏に聞くと、意外な答えが返ってきた。「それが、そうでもないんだ」と。

 まず基本的に、安倍はこの政局に自信を持っておらず、むしろ怯えている。モリカケ疑惑は、彼の精神がほとんど壊れそうになるくらいの心労となっていて、それを今井尚哉秘書官ら取り巻きが「とにかく国会審議を開かないということで、何を言われてもカエルの面に何とかで突っ張り通しましょう。なあに、有権者なんて3カ月前のことは覚えていないんだから大丈夫ですよ」と言って尻を叩いているけれども、安倍は不安で仕方がない。