デイリー新潮 (週刊新潮 2017年10月12日神無月増大号掲載)
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/10130559/?all=1

 さしあたり希望の党は、25ある東京選挙区で自民への“絨毯爆撃”を目論んでいる。中でも、女帝の「デスノート」の筆頭に挙がっているのが、24区から出馬する萩生田光一幹事長代行(54)である。
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 昨夏の都知事選出馬の際、萩生田氏に“テロ”呼ばわりされた小池知事。仕返しとばかり、加計問題で彼の名が取り沙汰されたことをあげつらうなど、互いに抜き差しならない状態が続いている。
 都連の要職にあった萩生田氏は、7月の都議選で小池旋風の直撃を受けた。“次は自分の番か”と、さぞ首筋の寒い思いをしているであろう本人に聞くと、
「もともと小池さんとは派閥も一緒で仲も良かった。そういう意味では私に“憎さ百倍”なのかもしれません」
 そう推し量りながら、
「私が『出馬はテロだ』と言ったのは、都連の役員という立場上、あの時はそう言うしかなかったから。個人的に恨みがあるわけではないし、知事になってからも、都とは上手くやっていかなければならないから、何度もお会いして話もしていますよ」
 というのだが、その“元仲良し”をこう評すのだ。
「もともと根気強く何かをやるというタイプじゃない。だから小池さんが知事選に、という話が出た時、今でこそ『私は最初から推していた』と言っている若狭さんも『小池さんとか丸川さんとか、女性の知事がいい』という程度だった。都連には衆参合わせて30人ほど国会議員がいて、一緒に働いていれば大体お互いのタイプは分かる。他の人達も『小池さんはちょっとね……』という雰囲気でした」
 果たして、誰もが恐れていたことが起こり始めたというのだ。

迫る「落下傘部隊」
 その“危惧”とは、
「案の定、知事を根気強く続けられなかったわけです。結局は民進党が引っ越して看板が変わっただけの話になりそうだけど、安保法制にしても、この前まで体を張って反対していた人たちが選挙目当てに賛成して、有権者がそれを鵜呑みにしていいのかどうか。大体あの時、自民で本会議を欠席したのは村上誠一郎さんと若狭さんだった。希望の党のルールからすれば、若狭さんは入党できないんじゃないのかな」(同)
 さらに、迫りくる“危機”についても、
「聞いたところでは、うちの選挙区にも関西から“選挙マニア”みたいな女性がやってくると聞きました。私の地元の八王子は新しいものに飛びつきやすい土地柄だけど、さすがにあと3週間でそんなの、いかがなものかと思いますよ」(同)
 ちなみに、その“刺客”とは、自民党の谷川とむ代議士の前妻で、元寝屋川市議の吉羽美華氏。晴れて女帝の「落下傘部隊」に選ばれた37歳の新人女性が、長らく政権の屋台骨を支えてきた萩生田氏に匕首を突き付けんとしているのだ。
「そんなことするくらいなら『股をくぐる気はない』と言い切った野田さん(佳彦・前首相)の姿勢の方が、世間では共感を呼ぶと思うけどな……」(同)
 よほど心を乱されたのか、“排除される側”にエールを送る有様であった。