安倍晋三首相は25日の記者会見で、衆院選の勝敗ラインについて「与党で過半数を取れなければ下野する。私も辞任することになる」と明言した。
質疑応答部分の全容は以下の通り。

問)冒頭発言で解散理由について説明があった。

それをある程度予想した上で、今回の解散に当たって「大義がない」「北朝鮮情勢が緊迫する中、選挙にふさわしいタイミングではない」「野党からの国会召集要求を事実上応じず、森友・加計学園問題からの追及回避ではないか」といった指摘が出ている。
そうした指摘にどう答えるか。

答)わが国が直面する最大の課題は少子高齢化だ。

これを克服していくためには、社会保障制度を全世代型のものへと大きく転換しなければならない。
時間の猶予はない。待ったなしだ。
大きな改革には当然、大きな財源が必要となる。
財源の目当てがないままでは、改革の中身それ自体が小さくなっていく恐れがある。

本日、子育て世代への投資を拡充するため、これまで約束していた消費税の使い道を思い切って大きく変えるという決断をした。
消費税の使い道は、5%から10%に引き上げる際の前提であり、これは国民の皆様に約束していたことでもある。
税こそ民主主義であり、国民生活に大きな影響を与える税制において、これまで約束した使い道を見直す。
この大きな決断をする以上、国民の皆様に信を問わなければならない、その判断を仰がなければならない。
こう決心した。

私たちが約束してきたことを変える以上、信を問わなければならないとお答えした。
また、私たちが野党だった2012年、当時の与党の民主党に対し、民主党政権がマニフェストに無い消費税の引き上げを行う以上、法案を出す前に、総選挙を行って国民の信を問うべきだと私たちは主張してきた。
私たちの主張は一貫している。
税に関わる大きな変更を行う以上、国民生活に大きく関わる変更を行う以上、国民に信を問わなければならないということだ。

次に、臨時国会の召集時期についてだが、8月には予算編成に向けた概算要求の作業があった。
9月には北朝鮮情勢が緊迫する中、ロシアやインドを訪問するなど、外交日程をこなしてきた。
先般は、国連総会に出席し、日米首脳会談あるいは日米韓の首脳会談等を行ったところだ。
こうした内外の諸課題に対応するため、総合的に判断して、今週の28日の召集を決定したものだ。
憲法上問題はないと考えている。

その上で申し上げれば、閉会中においても、必要に応じて、衆参あわせて15回閉会中審査を行ったし、私自身も衆参の予算委員会に閉会中審査に出席するなど、丁寧な説明を積み重ねてきたところだ。
今後もその考え方には変わりはない。
選挙はまさに民主主義における最大の論戦の場である。
こうした中での総選挙は、私自身への信任を問うことにもなり、私自身の信任も含めて、与党の議員すべての、そして全国会議員の信を問うわけだ。
それは追及不可避どころか、こうした批判も受け止めながら、そこで国民の皆様に対してご説明もしながら選挙を行う。
むしろ大変厳しい選挙となることが予想される。
それを覚悟の上で、しかし、先ほど申し上げたように、税こそまさに民主主義であり、税に関わる重大な変更については国民の信を問わなければならないことは、従来から一貫して申し上げてきた、私の、また私たちの考え方に沿って今回解散をする。

また、北朝鮮について申し上げれば、日本と北朝鮮、大きな違いは国民の代表を、リーダーを、選挙によって選ぶことだ。
民主主義のまさに原点だ。
その選挙戦が独裁体制である北朝鮮の脅かしによって影響を受けることはあってはならないと判断した。
もとより危機管理に万全を尽くし、国民の生命と財産を守り抜いていくことは当然のことであろうと思っている。

問)消費税の使途変更の件で、プライマリーバランスの黒字化目標達成が困難だという考えを示す一方、財政再建の旗は降ろさないと話した。

なぜ、借金返済分ではなく、他の費目を削って教育無償化の財源にしないのか。
格差の固定化を防ぐという目的から、高等教育だけではなく幼児教育に関しても、3歳から5歳の部分に関しても、所得制限を設けた方が良いのではないか。
教育の質の確保の観点から、無償化の対象となる高等教育、大学や専門学校に関しては学校の選別、線引きをすることは考えるか。

https://jp.reuters.com/article/information-box-abe-to-resign-idJPKCN1C01SD

※続きます