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「週刊文春」編集部
2017/09/11

“暴言老人”麻生太郎氏 訪米もポスト安倍も消えた
source : 週刊文春 2017年9月14日号
genre : ニュース, 政治

 麻生太郎副総理兼財務相(76)の失言が止まらない。ヒトラー失言に続き、10月22日投開票のトリプル補選の1つ、衆院愛媛3区の応援でも、祭りの参加者を「きちがい」と表現し、「不適切」だったと撤回したのだ。

 9月2日、昼前にトレードマークの帽子姿で松山空港へ降り立った麻生氏。失言が飛び出したのは、4カ所予定されていた応援演説の最初の講演会でのこと。

「失言を警戒して当初マスコミ非公開の方針だったようですが、200人程度しか入れない会場のため人があふれ返って混乱し、事実上取材はオープンに。麻生氏は候補者そっちのけの人気ぶりに気をよくしたのか、失言が飛び出した。愛媛3区は麻生氏が擁立した新人候補の評判が悪く、3補選で唯一苦戦している。テコ入れのために入ったのですが、これでは何のために来たのか」(地元記者)

 そのわずか4日前のヒトラー失言後も、反省の色は全く見られなかったという。

「『ヒトラーとかナチとかいう話になると、とたんに別の話をみんな作られちゃうからね』と閣議後の記者会見でメディアを批判し、失言に質問が集中すると『なんで企業の統計調査を誰も質問しないんだ、みんな政治部に変わった方がいい』と逆ギレしていました」(財務省担当記者)

〈日本の大臣がヒトラー礼賛〉(英紙ガーディアン)と発言は海外でも波紋を呼び、10月の日米経済対話の“地ならし”と目されていたマイク・ペンス副大統領との訪米会談も急遽キャンセルに。表向きは「北朝鮮情勢の緊迫」が訪米中止の理由だったが……。

「トランプ大統領の娘婿クシュナー氏は正統派ユダヤ教徒で、ペンス氏も親イスラエルと目されています。加えて、トランプ氏も白人至上主義や反ユダヤ主義を容認するかのような発言で批判にさらされており、次期大統領を狙うペンス氏とすれば、このタイミングで麻生氏と握手を交わすだけでもまずいと、日米外交当局の“忖度”が働いたのでしょう」(外信部記者)

 麻生氏とは長い付き合いの永田町関係者が首を傾げる。

「失言癖は以前からだが、間隔が短くなっている。政治的に一石を投じるような発言ではなく、単なる暴言ばかり。年齢のせいか自制心がきかなくなっているのではないか。『安倍晋三首相が政権を投げ出したら緊急登板で麻生氏』との観測も消えつつある」

“暴言老人”、何がめでたい。