http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170912/soc1709120010-n1.html

 北朝鮮の独裁者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を、国際社会が追い詰めつつある。「6回目の核実験」強行などを受け、米国主導で国連安全保障理事会は11日、制裁決議を全会一致で採択した。原油輸出や石油精製品の供給に上限を設けるなど、石油の規制に初めて踏み込んだ。体制の存立に関わる「石油禁輸」を軸に、「正恩氏の個人資産凍結・渡航禁止」まで盛り込んだ原案は、最終案から外れた。米朝間のつばぜり合いが活発化するなか、専門家は、日本独自で実施可能な制裁として、「朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)の破産申し立て」を提案する。 

中略

 北朝鮮の不正行為を告発している「アジア調査機構」の加藤健代表は「日本単独で実行可能な制裁がある。朝鮮総連への破産申し立てだ」と語った。

 朝鮮総連は、北朝鮮を支持する在日朝鮮人組織として、1955年に発足した。東京都千代田区富士見に中央本部を置き、北朝鮮と国交のない日本で事実上の「大使館」とされている。

 一方、さまざまな対日工作や事件にかかわってきたとされ、破壊活動防止法に基づく調査対象団体となっている。北朝鮮本国に多額の不正送金を行い、「核・ミサイル」開発にも寄与した。

 その朝鮮総連は債務約627億円の大半を整理回収機構(RCC)に返済しなかった。東京地裁は先月2日、利息も含めて約910億円の支払いを命じている。それだけ多額の債務がありながら、朝鮮総連は競売された中央本部ビルに「賃借」という形で入居を続けている。

 加藤氏は「朝鮮総連の破産手続きをすることで、破産法に基づき、不自然な金の流れについて説明を拒絶したり、嘘をいったりすると罪になる。総連幹部をがんじがらめにできる」と指摘する。現在、RCCに「朝鮮総連の破産申し立て」を行うよう、政府に要望書を提出する準備を進めている。

 北朝鮮が、水爆を含む核兵器を持てば、中東諸国やテロリストにも拡散する危険性がある。東アジアだけでなく、世界の平和と安定にとって「最悪の事態」といえる。

 前出の西岡氏は「独裁者は『自分の命が危うい』と思ったとき以外は譲歩しない。まずは最高レベルの経済制裁を突き付け、それでも正恩氏が『核・ミサイル』開発をやめなければ、米国主導で『斬首作戦』を含む北朝鮮攻撃を準備する。そうすれば、核・ミサイルや、拉致問題に関する実質的な話し合いをできる可能性がある」と話している。

 北朝鮮の恫喝(どうかつ)に怯んで「核保有を認めよ」「経済援助せよ」などという声もある。肉親も殺害する独裁者に自ら譲歩することは、国や世界を売るような行為ではないのか。