【民進党人事】“チャンスをピンチに変える”体質は連綿と… 前原誠司新執行部の「安定した『不安定感』」
産經新聞:2017.9.5 21:09更新
http://www.sankei.com/politics/news/170905/plt1709050056-n1.html

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民進党の前原誠司代表=5日午後、東京・永田町の民進党本部(斎藤良雄撮影)

 前原誠司代表率いる民進党新執行部が5日、船出した。
ただ、内定した幹事長人事案が覆るという混乱が早速あり、トップを代えても連綿と続く「安定した『不安定感』」(閣僚経験者)を印象づけた。
「まさにニュー前原だ」−。刷新感を躍起になってアピールする前原氏の言葉がむなしく響いた。

 5日の両院議員総会での前原氏のあいさつは、政権奪取の熱意でも国会論戦への意気込みでもなく、謝罪の言葉から始まった。

 「人事のことでご心配をおかけしていることに、まずおわび申し上げたい」

 山尾志桜里元政調会長の幹事長起用案に不満が噴出し、大島敦元総務副大臣に差し替えたドタバタ劇は、新体制の行く末の不安感を印象づけるに十分だった。

 前原氏は総会後、記者団に「山尾氏を(幹事長に)という気持ちがあったのは事実だが、総合的に判断した。柔軟性を持って決めた」と釈明したが、
要である幹事長人事案が二転三転した事態は確実に求心力を低下させている。
旧民主党政権崩壊の「戦犯」の一人、菅直人元首相に5日のブログで
「人事を撤回することは新執行部がスタートからつまずくことになる」と批判される始末だ。

 山尾氏の政治経験の乏しさだけが標的となるなら、まだ救いはあった。
だが、週刊誌が報道する山尾氏の不倫疑惑が追い打ちをかけ「発信力もあり刷新感もある」と見込んだ前原氏の鑑識眼にも疑問符が付いた。

 週刊誌報道を武器に安倍晋三政権を追及してきた民進党にとっては手痛い「ブーメラン」でもある。
山尾氏は、総会には出席したものの、終了すると報道陣を振り切って車に乗り込み、無言で党本部を後にした。

 民進党の「離党予備軍」と目される議員の多くは、軒並み総会への出席を見送った。
今後も新執行部の迷走が続けば、不満分子の背中を押し「離党ドミノ」を引き起こしかねない。

 「予備軍」の若手は、人事の混乱を念頭に、満身の嘲笑を込めて吐き捨てた。

 「相変わらずチャンスをピンチに変えるのがうまい政党だよなぁ」