■日本や英米で見られるメディア不信は、いま世界的な傾向となっている。

 英調査会社エデルマンは、世界28カ国を対象にメディアに対する意識調査を実施していて、2017年1月にダボス会議でその結果を発表した。
それによると、メディアの信頼性は世界的に見ても51%から43%に低下しており、これまでの調査で最低の数字を更新した。

 中でもメディアへの不信感が顕著だったのは、オーストラリア、カナダ、アイルランド、コロンビアだった。同社によると、
この信頼低下の背景には、メディアがこれまで以上に「エリート」側であると見られるようになっており、批判的に見る人が増えたというのがある。
またネットの台頭ももちろん低下の要因になっており、同社の調査では、5年前から既存メディアよりもネットを頼る人が増えていると指摘している。

米国や英国の調査によると、メディアに不信感をもっているのは、特に若い世代が多い。というのも、若い世代はネットを年配者よりも活用している傾向にあるからだ。

 ネットをより使うことで、既存メディアだけに依存しなくなり、幅広い情報にアクセスでき、自分たちでそれを取捨選択できる。紙面の限られたスペースのせいで、
すべての情報を掲載できない新聞などは明らかに不利で、削った情報を「恣意的な編集」と思われてしまうのは避けられない。信用されなくなるわけである。

ネットの普及で、新聞社が掲載する記事の問題点が浮き彫りになり、その情報が広く知られるようになっている事実のほうが重大ではないだろうか。
 メディアはネットの時代に、いまだかつてなく厳しい目にさらされている。おそらく「上層部」は、ネットの本当の影響力をまだ理解していないのかもしれない。

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