そもそも、加戸氏は、リクルート事件が取り沙汰された際、リクルート社からゴルフ接待を受けていたことなどから文科省官房長を辞職。

しかし、辞職後は公立学校共済組合理事長に見事「天下り」を果たし、「更迭されたのではなかったのか」と批判を浴びた。

さらには続いて文科省が監督官庁であるJASRACに天下りし、在任3年で退職金含め1億円以上の報酬を得たと報じられた。

天下り利権に溺れる官僚の悪い見本のような人物である。

 だが、加戸氏について語らなくてはならない重要なポイントこそ、

安倍首相と同様に歴史修正主義に加担し、

安倍首相とも仲を深めてきたということだ。

 たとえば、愛媛県知事時代の2001年には、「新しい歴史教科書をつくる会」による扶桑社版歴史教科書について、

教育長に「扶桑社版がベスト」と推薦し、結果、県立ろう・養護学校の一部で採択された。

この行為は知事による教育への政治的介入だと問題となったが、

加戸氏はその後も扶桑社版教科書の採択を「県政の重要課題」に位置づけた。

その姿勢はまさに安倍首相と同類と呼ぶべきで、実際に加戸氏は

日本会議系の「美しい日本の憲法をつくる愛媛県民の会」の実行委員長を務め、

安倍首相肝いりの諮問機関「教育再生実行会議」の有識者メンバーにも選出。

『報道特集』(TBS)のインタビューでの

前川氏の証言によれば、

加戸氏を有識者メンバーに選ばれたのは

「総理から直々にご指名があった」ためだと言う。